焦りが強まって「うわぁぁぁ~」となるとつらいですよね。
そういうとき、あなたならどう対処しますか?
私はとりあえず深呼吸をします。
ゆっくり息を吐いて吐いて吐いて……ゆっくり吸う。
それだけでだいぶ楽になるのでおすすめです。
試しにGoogleで「深呼吸」と検索してみてください。一番上に「1分間の呼吸エクササイズ」が出てきます。
再生ボタンの三角を押すと白い丸が動きます。この丸の動きに合わせて「吸って」「吐いて」をくり返すだけ。実際にやってみると、心身の変化を感じられるはずです。
こういうツールを使うと、アワアワしたときでも自然に呼吸を整えられていいですね。覚えておくといつか役に立つかも?
というわけで、ここからは、深呼吸が焦りに効く理由、呼吸法のやり方を紹介します。
なぜ深呼吸がいいのか?
焦りや緊張が高まったとき、「深呼吸しましょう」とはよく言われることですよね。
でも、なぜ深呼吸をすると緊張が和らぐのでしょうか?
答えは、深い呼吸で効率よく酸素を取り込むと、自律神経(交感神経と副交感神経のバランス)が安定するから。
もう少し詳しく説明します。
呼吸には、胸式呼吸と腹式呼吸があります。
胸式呼吸は浅く短い呼吸。腹式呼吸はゆったりペースの深い呼吸、おなかを膨らませたりへこませたりする深呼吸です。
浅く短い呼吸は交感神経を刺激して、緊張と興奮を高めます(下図左側)。一方の深呼吸は、副交感神経を優位に働かせ、心身をリラックスさせます(下図右側)。
交感神経と副交感神経がバランスよく働いてると、上の「GOOD」な猫さんのように心身がいい感じに保たれます。
しかし、交感神経と副交感神経、どちらかの神経が強くなりすぎる(弱くなりすぎる)と、「BAD」な猫さんのように、好ましくない状態になってしまうのです。
つまり、交感神経優位の焦りモードを和らげるためには、心身をリラックスさせる深呼吸で副交感神経に働きかければOK。効率よく酸素を取り込むことで、自律神経のバランスを整えられます。
さらに、深呼吸している間は思考ができなくなるため、ネガティブ思考をストップさせる効果も期待できます。
深呼吸をすれば、心が落ち着く!
余計なことも考えずにすむ!
素晴らしいですね。
手軽にできる腹式呼吸法のやり方
呼吸法のやり方は、うつ関連の本に載っています。が、本によってやり方が微妙に違うので、自分のやりやすい方法でいきましょう。
ここでは私が実践している方法を紹介します。
・おなかをへこませる
・口から息をゆっくり吐き出す
STEP2:4秒かけて息を吸う
・おなかをふくらませる
・鼻からゆっくり息を吸い込む
STEP3:STEP1~STEP2をくり返す
・最終的には1分間に5回のゆったりペースで
ポイント
- 口をすぼめるとゆっくり息を吐き出しやすい
- おなかに手を当て、丹田(おへその5cm下あたり)に意識を向けると、変な力が入らない
- 最初は苦しくないペースでOK
お腹をふくらませたり、へこませたりして、ゆっくり深く呼吸できればOKです。
パニック発作が起きそうなときは
- 過呼吸の前兆に気づいたら
- 3秒吸って3秒吐く腹式呼吸をくり返す
- 1分ごとに10秒間息を止める
こうすることで発作を防げるとされています。
(『やさしくわかる認知行動療法』p.125)
まとめ
焦りが強まると、物事を冷静に対処することが難しくなりますよね。
心臓バクバク、指先ブルブル。ちょっとのことでもイライラして、「あ゛ーも゛ー!」とプチ発狂。
そこまで激しくなくとも「このままじゃマズい!」と考えれば、不安が強まります。打開策が見つからなければ、さらに追い込まれた気分になります。非常につらい状態です。
そんなときこそ深呼吸。
口から息を吐いて吐いて吐いて吐いて、フゥーーー……
全部吐ききったら、鼻からゆっくり息を吸い込む。スゥ~~……
これをくり返すだけで気持ちが落ち着きます。どんなに焦っているときでも、とりあえず息を吐き出してしまえば、オートで息を吸い込めるのでいい感じ。
「ヤバいヤバいヤバい」「無理無理無理」「あーー死ぬ」みたいな状態に陥りがちな人は、ぜひ試してみてくださいね。
【次回予告】丹田の場所、呼吸法について
<参考書籍>
福井至 貝谷久宣 (2012)『やさしくわかる認知行動療法』ナツメ社 p.125
山本晴義 (2015)『やさしくわかるうつ病からの職場復帰』ナツメ社 p.137
野村総一郎 (2016)『うつ病のことが正しくわかる本』西東社 p.157