疲れたときに口ずさみたい「僕の人生の今は何章目ぐらいだろう」

バグパイプを吹く人

不安だらけの毎日の中で、こんな状態がいつまで続くんだろうとため息をついていませんか?

何だか疲れてしまったとき、私の頭にはこんなフレーズが浮かびます。

「僕の人生の今は何章目ぐらいだろう」

ウルフルズのトータス松本さんが吉田拓郎さんに提供した楽曲です。

今はどの辺りだろう
どの辺まで来ただろう
僕の人生の今は何章目ぐらいだろう

ガッツ&パワフル魂でエンヤコラ明日へ大爆走することに疲れてしまった人、「明日があるさ」と前向きに考えられずに落ち込んでいる人と一緒に味わいたい曲です。

君の人生の今は何章目くらいだろう?

私の人生の今は何章目くらいだろう?

わかんないですね。80歳まで生きるとしたら、あと50年。まだ折り返し地点にも辿り着いていない。うーん、もうリタイヤしちゃいたいというのが正直なところですが。そうは言いながらもズルズルここまで生きてきたので、そんな感じでもう少し続けられそうな気もします。

絶不調だったときは「私の人生の今は最終章」とか言ってね。「人生終わった」と思いながら、最終ページのことばかり考えていました。

絶望からちょっと回復すると、46歳で死んだ叔母のことをよく想いました。ひとりで死んでいった彼女は何を思っていたのだろう。そんなことを考えると、少しだけ気持ちが解放されるような気がしました。「一般的な人生」とは異なるイレギュラーな事柄は私を安心させたのです。悲しみを含んだ不思議な感慨です。

あるときは、「梶井基次郎は31歳で死んだなぁ」と思いました。そして檸檬が爆発するところを想像しました。自分も書店も地球も全部吹っ飛べばいいのに。そんなラストはなかなか素敵じゃないかと。いきなり爆発するのがポイントです。痛みを感じる暇もなく、すべて消え去ってしまう。痛みに怯える白黒思考の人間らしい発想でしょう?

ちなみに、現在の世界最高齢は116歳。ギネス記録は122歳。50歳でもまだ半分に満たないのですね。

ハッピーエンド or バッドエンド?

ゴールが見えないってけっこう絶望ですよね。いつまでも走り続けなければならないマラソンは拷問です。

山登り 「いま何合目?」
遠泳 「あと何km?」
人生 「       」

終わりが見えない人生。でも、必ずゴール(=死)はあります。

ゴールまで続く不安。不安はイヤ。それを解消するためには、ゴールをここ(=今)に引き寄せればいい。

……本当にそれがベスト?

最後はハッピーエンドだと信じることができれば、苦境も乗り切れるのかもしれません。

でも、バッドエンドに魅かれる人にはすごく難しいことです。

毎日がしんどければ「いつまでこんな日が続くんだ」と息苦しくなるし、幸せなら幸せで「明日突然この幸せが失われるかもしれない」と怖くなるし。

ネガティブさんは大変じゃ。

【関連】幸せだろうが不幸だろうが不安は常につきまとう

できれば楽しい物語にしたいけど

自分の現在地を把握することは大切です。具体的な目標に向かって頑張ろうとしているときには、「僕の今の立ち位置はどこだろう」と問うことで適切な答えを選びやすくなります。その積み重ねで、きっと今より素敵な未来に辿り着くのでしょう。

もちろん今より悪い未来に辿り着く可能性もあります。でも、「悪くなるに違いない」と思って悶々と過ごすよりは、着実に歩を進める方がいいんじゃない? と言われれば「そうだな」と思います。何をもって「悪い」と捉えるか、そこに品性が表れるようにも感じられます。

一歩一歩。

進む先は前とは限りません。いえ、進んだ方向が前になるわけですが、それはつまり、みんなが「前だ」と主張する方向だけが前ではないということです。

まぁ、その場にとどまっていたって時計の針は動いていきますからね。何もしない様子が描写される、そんな静かな物語があったっていいじゃないか、とか言いながら過ごすのも面白いかもしれません。本人は全然面白くないかもしれないですけど。

よかれ悪かれいいたいことを全部言う
気持ちいい風に魂を吹かす

(「僕の人生の今は何章目ぐらいだろう」より)

こんなふうに潔く、爽やかに、自分の物語を紡いでいけたら……。

なんて人生をキレイにまとめるつもりはありません。ウルフルズはただの爽やかバンドなのか? って。

ただ、いいたいことを言って、気持ちいい風に魂を吹かしたいだけ。

(やぶ~れかぶれ~)とか(すーっとばす)とか(アベックだらけ)とか(ええねん)とか合いの手を入れたいだけ。

ただ、それだけです。

と言いながら「それだけなわけがない」と心の中でつぶやく、そんな物語を生きるのです。

 

<本日の一曲>
ウルフルズ「僕の人生の今は何章目ぐらいだろう」

商品詳細ページで視聴できます。

<本日の一冊>
梶井基次郎『檸檬』

角川文庫の和柄カバーシリーズの装丁って素敵ですよね。

梶井基次郎 檸檬 – 青空文庫

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