苦しみを和らげトラウマを乗りこえるためのワーク

背を向けて遠くを見つめる女性

過去のつらい出来事を思い出して苦しくなったとき。

「原因を探しても問題は解決しない」
「感情をそのまま受け入れよう」

そんなアドバイスがあります。

その重要性はよくわかるし、正しい。でも、一体どうやって感情を受け入れたらいいの?

その疑問に答えてくれる本がありました。

著者のあたたかく優しい言葉がつまった本です。納得できるところが多く、自分の気持ちと折り合いをつけるにはどうしたらいいか学べます。

今日はこの本の中から、つらい感情を和らげるためのワークをご紹介します。

恐怖心と向き合い、苦しみを和らげる訓練

苦しみを軽くするために役立つのは、自分の身に起きたことを詳しく書く作業。

<自分に起きたことを書いてみよう>(P.131)

1.頭に浮かぶ映像、思いつく場面、または繰り返し見る悪夢を書き出してみてください。

2.まだ何らかの感情を抱いている場合には、思い出したらすぐに書いてみてください。

3.その記憶を書きとめながら、自分が抱いている感情をもっともよく表している形容詞を選んでください。

リラックスしている、幸せだ、守られている、よそよそしい、恥ずかしい、ねたましい、感謝している、傷ついている、拒絶された、不安だ、自信がない、うしろめたい、おびえている、孤独だ、大事にされていない、裏切られた、打ちのめされた、悲しい、穏やかだ

4.書きながら、その瞬間に何を感じ、何を思っているかを考えてください。

<ポイント>

  • 「私は」で始める
  • 現在形で書く
  • 匂いや音や光などをできるだけ詳細に書きとめる
  • 感情がほとばしるままに

そのとき感じた気持ちを抑えず、わきあがるままにすると、感情は次第に弱まり、広がっていかないと著者は言います。

そして、最後のポイント。

  • 自分が書いたものを毎日読み返す

自分の体験を直視するのはつらいことですが、感情が和らぐのを確かめるために必要なことなのだそうです。

時間をかけてゆっくりと

私がこの本に出会ったのは、このブログを書き始めて少し経った頃(2013年4月)。体調は落ち着いてきていましたが、気分の波はまだありました。極端なネガティブ思考にのみ込まれることも多々あり、「わかっちゃいるけどやめられない」状態。

過去のつらい出来事、自分の不甲斐なさ・現状への不満、将来の不安……。

どこを向いても希望はない。真っ暗闇で何も見えない。体は鉛のように重く、心は張り裂けそう。

そんな自分と向き合うのは難しいものです。悪いところばかりが目についてしまいます。

先のワークも、「自分が書いたものを毎日読み返す」はあまり実践できませんでした。も~つらくて。それで、「私にはコレ無理!」と脇に置いたのですが、このワーク内容は頭(心?)の片隅に残っていたようで、少しずつ少しずつ自分の気持ちを受け入れるきっかけになりました。

「時間をかけてゆっくりと」というのがポイントなんでしょうね。劇的にパッと変わるものではなくて、ジワジワジワジワ変わったと気づかないくらいのペースで変化していく。忍耐力が試されます。

そして今、当時の記録をふり返りながら、この本やワークは自分にとって有意義なものだったんだなぁと感じているところです。

最後に

心の痛みは簡単に癒えるものではありません。

傷を治すためには時間が必要。しばらくはそっとしておこう。でも、放っておいて治る傷ばかりじゃない。大きな傷は縫ってもらわないといけない。きちんと傷がふさがるように正しく手当することが大事。

それが過去と向き合ってみることなのかなぁと感じました。この本は、正しい手当の仕方が書いてある教本みたいなものですね。

計算問題のように誰が解いても正解はコレ! とはならないので、自分で考えて答えを探さなければいけません。しかも、その答えは形がないし、常に変化する。あぁ、なんてハイレベルな課題!

教科書はあってないようなものですね。でも、この本から何らかのヒントは見つかるはず。具体的な内容は違っても、人生における共通点ってたくさんありますよね。

感情をそのまま……ってそんな単純じゃないし、ごっちゃになってわからない。そこで「いま感じていることを分析しよう」ということになるんだとわかった。

2年前の私はそう日記に書いています。どんなことでも自分で考えて納得できるとスッキリします。

少しずつ、無理のない範囲で、散らばった破片を拾い集めていきましょう。

 

6 COMMENTS

とみ

なみさん。こんばんわ。とみです。

新しい文章読みました。

僕は6ヶ月前に体験した挫折のショック(夢が叶わなかった)が今でも苦しさの原因です。諦めて、就職なり、地元に帰るなりすればいいのですが。。

今でもまだやれるんじゃないか?!とか、活躍してる人や通ってた養成所のサイトをみてしまい、なぜ、僕は落ちたのか!羨ましい気持ちとか嫉妬とかが沸いてきて苦しくなります。見なければいいのに。。

抗うつ薬と抗不安薬を飲み、6ヶ月、向き合うたびに苦しくなりますね。まだ早いのかな?すいません。誰にも相談出来てないので、またここに書かせて貰いました。

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ナミ

とみさん、コメントありがとうございます。

うーん、つらいですね……。って、このつらさは苦労を重ねたとみさんにしかわからない深い苦しみだとは思うのですが、「今でもまだやれるんじゃないか?!」という気持ちはわかります。私も同じように思っていたことがあります。(というか今でも?)

見なけりゃいいのに見ちゃうっていうのもありますよねぇ。見てから激しく後悔するという。

苦しい気持ちを肯定するのは変かもしれませんが、心かき乱されるほどに本気になれるのはカッコ良いと思います。ほとばしる情熱! って感じで。

私の場合は、自分のペースでやりたいと思ったときにやればいいじゃん、と考えるようになってからラクになりました。といってもかなり長い間グダグダしてましたけどね。

またいつでもお話聞かせてください。 この苦しみを知ったとみさんは今まで以上に強く優しい人になることは間違いない! と、私は確信しています。

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とみ

なみさん。とみです。

お返事有難うございます。

背中を押してもらえたような、共感してもらえたような、嬉しさみたいな気持ちになりました。

今は少し安定してて、焦るのはやめて、少し流れに任せようと思ってます。

夜中目が覚めたり、嫌な夢見たり、そこから寝つけなかったりしますが、少しずつですが回復してる気がします。

うつ状態が6ヶ月目を迎えたのは初めてで焦りと恐さがあってこれからの事とか不安で苦しくて、苦しくて。

なみさんのサイトに出会えてよかったです。優しい言葉有難うございます。

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ナミ

とみさん、お返事ありがとうございます。私の方こそ、そんなふうに言っていただけると嬉しいです。

つらいときは何をやっても苦しくて、なかなか解決策を見出すことも難しくなりますが、流れに身を任せるというスタンスは大事にしていきたいですね。できる限り良くなっている部分に注目しながら。

焦らず、ゆっくり、とみさんのペースで。

季節の変わり目ですので、お身体を大切にお過ごしください。

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さちこ

はじめまして。
ブログ読ませて頂いています。
過去の嫌なことなど、いくら思い出してその感情の中で
怒りや悲しみまでもを引きずり出して、
みじめな思いをしてしまうことがあります。
私はそれを、自分の調子が悪いというサインなのだと
感じています。

過去のトラウマ…思い出したらキリがないですし、
劣等感のカタマリのようでしたから。(笑)
それと対峙して、乗り越えるというのはなかなか…。
できたら強くなれるんでしょうし、自信も持てると思います。

社会に出て行くには強くならなければいけないと感じます。

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ナミ

さちこさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

そうですね、過去のつらい出来事と向き合うのは難しいことです。心身が不安定なときほど不快な感情が溢れて手に負えなくなってしまいます。さちこさんがおっしゃる通り「調子が悪いというサイン」と理解しておくことは大事ですね。苦しみを深めないためにも、冷静さを取り戻すためにも、自分の状態を把握することが必要なのだと思い至るところです。

PTSDに関する本などを読んでいると、トラウマの克服は簡単ではないとよくわかります。こればかりは時間をかけて傷を癒していくしかないんでしょうね。場合によっては専門家の力を借りながら。

ゆっくり、じっくり、無理のないペースで進んでいけたらいいなぁと思います。

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