私を救ってくれたものを痛感『さみしい夜にはペンを持て』感想

『さみしい夜にはペンを持て』を読みました。

なるほどと思えることがたくさん。文章を書くときに役立つハウツーが詰まった一冊です。

もちろん、物語としても楽しめます。

主人公はタコの「タコジロー」。舞台は海の中っぽいところ。学校もあります。私たちの日常が、海の暮らしに置き換えられている感じ。小ネタっぽく仕込まれた各所のモジリにくすっと笑ってしまう場面もあります。

タコジローは悩みながらも、自分の人生の課題に取り組み、成長していきます。やどかりのおじさんのやりとり、タコジローの学校でのこと、教室内の息苦しさ、最近距離を感じていた友達のこと、などなど。

序盤は特にタコジローに感情移入してしまいました。「タコジローがんばれ!!!」、気づけばそう叫んでる。かつて自分が感じていた思いがわきあがってきます。もうね、タコの「タコジロー」って設定が絶妙。すばらしい。

ページを飾るイラストがまたどれも可愛らしくて素敵です。イマジネーションを掻き立ててくれます。

 

この本を読んで、私が痛感したこと。それは、このブログを書くことで私は救われてきたんだな、ということ。

言葉にすることで、頭の中が整理され、気持ちが軽くなる。読者がいるから続けられるし、伝わるように言葉を選ぶ。うまく書くことは難しいけれど、独りよがりにならないように気をつけようという意識があるかないかで随分違います。

本当に私はどれだけ救われてきたのか。

 
今こうして、この文字列を読んでくれている画面の前にいるあなた。

あなたのおかげです。

読んでくれてありがとう。

 

 
 

『さみしい夜にはペンを持て』では、どうやって日記を書いたらいいのか、具体的なヒントが挙げられています。

例えば、悪口を書くときは過去形にするとか、「すごい」と思ったら、それと似ているものを探してみるとか。

抽象化は難しいから、このあたりは訓練が必要だとは思いますが、意識することで物事の捉え方はかなり変わると思います。

言葉を自分のものにすること、読むより聞く話すが効果的という話もなるほどと頷きました。

 

この本を読み進めるうち、自然に自分も何か書きたくなってきます。

でも、文章を書くのってラクじゃない。最初はなかなか大変です。

思えば、私も文章を書き慣れていない頃は、全然うまく書けなくて、何度も挫折しました。

そんな私が、どうやってまとまった文章を書けるようになったのか。

……え、どうやって書けるようになったんだろう?

これといった方法論は思いつきませんが、「下手でも何でもいいから書く」を徹底したことは大きかったと思います。「すごい」「やばい」「ひどい」「わろた」レベルのメモでOK。友達に話すみたいにざっくばらんに。まずは記録する習慣をつけること。そうすることで、言葉を自然に出力できるようになりました。

それを続けていると、今度は、もっと別の言葉で表現したい気持ちが強まってきます。

それが成長のチャンスにつながるのでしょう。

今は便利なデジタル機器もあるし、工夫次第で続けるモチベーションは保ちやすくなっている気もします。

 

書くことで救われる。

言葉にすることで、心が少し軽くなる。

自分の気持ちを言葉にするのは簡単じゃないけれど、手垢のついた手頃な言葉ですませてしまうのはもったいない。

自分のうちにあるものは、とても大切なもの。自分が思う以上に豊かなもの。

そして、その気持ちを言葉にすることが、他者理解にもつながる。そう思います。

この本を読んで、書くことの楽しさと大切さを改めて感じました。

あなたも何か書いてみませんか。

きっと、自分の中にある素晴らしい何かに出会えるはずです。

 

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