夜、布団に入りながら「これだ!」と思うことってありませんか。
というのもですね、昨夜ブログに書くことをふと思いついたんですよ。「あー、いいじゃんいいじゃん、これ書こう。そうしよそうしよ、覚えとこ」って。ちょっとホクホクして眠りについたのです。
が、朝、目覚めると——何もない。脳内はまっさら。確かにそこにあったのに。きれいさっぱり消えている。
手がかりはないかと探してみました。枕元にメモ帳があるわけでもないし、スマホに走り書きした形跡もありません。考えたことを思い出すために、昨夜の状況を再現してみます。寝る前にどんなことをしていたっけ? どんな音がしていたっけ? 何を考えていたっけ? どれだけ遡っても、記憶の扉は固く閉じたままーー。
いや、忘れて当然という思いもあるんですけどね。劇的ミラクルなアイデアではなかったし、凡庸っちゃあ凡庸だった気がします。
「いいの思いついた!」という印象だけが残っているあたり、実は大したことない内容だった可能性大ありです。だとしたら、むしろ思い出せなくてよかったのかも? そんな負け惜しみのようなことも考えてみるのですが、やっぱり気になる。思い出せないとわかると、余計に思い出したくなる。
ほんとにね、こんなことがしょっちゅうです。だから、以前はメモ帳を肌身離さず持ち歩いてた時期もあったんですけど、最近は腑抜け状態なので、そんな活力もなく。
なんでしょうね、「大事なことだから、忘れないようにしよう」と思うほど、記憶はするりとすり抜けていくみたいなところありませんか。まさか、覚えておこうという意志が強すぎると、逆に消えてしまう仕組み? んなアホな。
思い出せないものは仕方がない。これは「また新しくいいネタが出るタイミング」と捉えて、とりあえず、今回は別の話をすることにしようと思ったはずなのですが、気づいたら文章をここまで書き連ねてしまいました。もしかして書いてるうちに思い出すんじゃないかという淡い期待があったからです。
しかし、残念ながら、何も思い出せませんでした。
まあでも、「ぐぬぬ……思い出せない」の気持ち悪さを消化しようと試みた結果、こうして一つの文章ができあがったのでよしとしましょう。
過ぎ去ったものをいつまでも追いかけるのではなく、今あるものに目を向ける。そうすることで、また新しい何かに出会う。そうやって、今日も何かをやっていく。それこそが人生なのです(適当)。