ヨシタケシンスケさんのイラストが好きなので、またその話をしちゃうんですけど。
前回、しんどい人のためのWeb空間「かくれてしまえばいいのです」について書いていて思ったんですよね。ヨシタケさんのイラストのよさって、きっとヨシタケさんの思想が反映されてるからこそ生まれるよさなんだろうな~と。ちょうど第二弾のイラストエッセイ『欲が出ました』を読んだ直後だったこともあって、しみじみそう思ったんですよね。この「よさ」は優しさ由来のものじゃないかって。そう感じるアイデアやインスピレーションを得たエピソードがいくつもありました。
例えば印象に残ったのは、「気がすむ」って大事だよねという話。ほんと、すごいそうだな~と思って。はたから見たら無意味に思えることでも、当人にとって大事なことは無視しちゃいけないんですよね。どんなに不合理でも、尊重したほうがいい。もちろん、それで誰かが傷ついたりするのであれば、ダメです!ってなるけど、そうじゃないことなら、OK~☆と言ってあげられる人になりたいなと。
きっと、悩んで悩んで陰鬱な気持ちになるのも「気がすんでないから」ですよね。納得できないけど無理やり自分を押し込めて体裁を整えた結果生じるひずみ。やっぱり「気がすむ」ってすっごい大事。新明解国語辞典によると、「気が済む」とは「気がかりな事が片づいて、晴ればれしい気持ちになる。」ですって。めっちゃいい。この状態になりたい。
そしてもう一つ印象に残ったところ。「しっぽ」です。
やさしくそーっとひっぱると、しっぽのもちぬしの正体を見ることができる
らんぼうにひっぱるとしっぽはきれちゃうけど、
よーーく見ると、この世界のいろんなところにしっぽが出ている
モチーフが可愛いんだよな~。やさしい気持ちになれます。解決の糸口のことを「しっぽ」と言い換えて、やさしくそーっとひっぱってみようかなと思いました。
ヨシタケさんの考え方・感じ方にふれられるエッセイ『欲が出ました』。前作に比べると、解説なしイラストが増えていて楽しかったです。言葉がないとあれこれ想像が膨らみますね。
助平心を開陳しても下品にならないところがすごいなと毎度感心します。
第一弾エッセイの感想は↓こちら。
最高のどうでもいいことコレクション『思わず考えちゃう』感想