外国映画に日本描写が出てくると嬉しくなります。
見慣れた物を見つけて「あっ!」と跳ねて喜ぶ感じは、親戚の子の活躍を応援する感覚と通じるところがあるかもしれません。あるいは、同郷の有名人を温かな眼差しで見つめるような感じでしょうか。
そして何より、日本以外の場所で生まれ育った人が、日本をどう捉えているか垣間見れるのが面白い。文化の違いは興味深くて飽きることがありません。
というわけで、最近見て興奮した外国映画の日本描写について書きたいと思います。
(以下、ネタバレはありませんが、中盤以降の内容に触れているので、「映画はまっさらな気持ちで観たいんだい!」という人はここでさようなら。)
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最近見て興奮した外国映画の日本描写。
それは、ジョディ・フォスター主演の『コンタクト』というSF映画の一場面です。
画面に映るのはほんの一瞬。ジョディ・フォスターが日本のホテルに滞在するシーンです。
当然のように“日本風”の部屋は絶妙にちぐはぐで面白いのですが、それはまあ普通。平均的なおかしさです。
しかし、カメラが角度を変えようと動いた瞬間、それは私の目に飛び込んできました。
和ろうそくです。
部屋の片隅、小さな置き時計の隣に2つ並べて置かれた大きめの和ろうそく。神妙な顔をしたジョディ・フォスターの背後でさりげなく存在感を発揮しています。
「なんでそんなところに?」
「ま、まさか、アロマキャンドル感覚!?」
そう思ったら、めちゃくちゃウケてしまいました。
あれは一般家庭の仏壇周りに置いてありそうな箱入り和ろうそくではありません。
かなり大きい。
ベルボトムを逆さにしたような形の生成色のろうそく。
あのサイズ感は寺院用? 神社仏閣で使われるタイプのやつだよね?! 宗教についてはよく知らんけど、わりと本格的なやつ! いや、大・中・小でいったら中くらい?
それが日本のホテルに当たり前のように置いてあると思ったらおかしくて。
いやまあさすがにアロマキャンドル感覚ではなく、日本の仏具神具的な雰囲気の照明として配置されたのかなとは思うんですが。
や~だってさ~、何せホテルの部屋に置いてあったからさ~、ホテルって「どうぞごゆっくりお過ごしください」って場所じゃん。旅館じゃないから基本的には洋風じゃん。なのに、扉開けたら、畳!ベッド!和ろうそく! って。そんなん「えっ?!」ってなるじゃん。火事とか大丈夫なのかって心配もあるゾ?
考えれば考えるほど気になります。現場の人がどういうノリで和ろうそくを置いたのか想像すると楽しい。
このあたりは本質から外れたどうでもいい部分なんですけどね。どうしても面白がっちゃいますよね。和洋折衷とも違うちぐはぐさ。
で、あとからもう一度映画を見返したら、床の間風の場所にわらじらしきものが置かれていました。隣には正月餅(上にのってる橙がでかい)。破魔矢と木札も。掛け軸がゆらゆら揺れているのも不思議です。ジョディ・フォスターが着ている着物風の部屋着もなんだろう、絹の襦袢? いやほんとに見れば見るほど面白い。そうやって面白がってる私自身も日本文化についてよく知らないんだなーと気づかされもします。
そんな感じで、外国映画の日本風演出は面白い。どんな作品でもキャッキャと喜んでしまいます。
ちなみに、これまでに観た映画で一番笑った日本風演出は『シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜』。笑いすぎてむせました。
アキ・カウリスマキ監督の『希望のかなた』も笑いました。これは良い映画だと思って感想を書こうとしたのですが、うまく書けなくて断念した作品でもあります。
あと、日本っぽさを演出しようとして銅鑼(どら)が出てきがちなところも好きです。日本風描写あるあるでしょうか。日本でも銅鑼は使われるけど、見た感じ中国と間違えてそうな雰囲気が楽しい。
って思いつくまま書いていくと話が終わらなくなりそうなのでこのへんにします。
で、そうそう、『コンタクト』は内容もすごく面白い映画でした。科学と信仰について考えるきっかけを与えてくれる作品でした。宇宙とか世界とか存在とかも。あとドラマパートでちょっと泣いたし、いろいろすごかったです(感想文 スラスラ書けたらいいのにな)。