つらい人生から脱却する方法 ― 思い込みを突き止める4ステップ

ガラス球に映し出す

あなたは内向的な性格ですか? それとも社交的な性格ですか?

ネガティブに考えるクセがありますか? それとも楽観的ですか?

性格や考え方は人それぞれ違いますよね。

では、なぜこうした違いが生まれるのでしょうか。

心理学者の鈴木敏昭氏はこう言っています(『人生の99%は思い込み――支配された人生から脱却するための心理学』より)。

あなたの頭の中にある考え、性格や癖も、ほとんどが思い込みであると言っていいだろう

だから、性格や考え方を変えるためには、どんな思い込みに囚われているか発見する必要があるのだそうです。

性格や考え方を変えることは、生き方を変えることにもなります。

つまり、よろしくない思い込みを変えることで、望み通りの豊かな人生を歩むことができる。『人生の99%は思い込み』はそんなメッセージを伝えています。

というわけで今日は、上記の本を参考に、思い込みを突き止める方法を紹介します。

お悩み解決のヒントとして、参考にしていただければ幸いです。

思い込みを突き止める4つのステップ

悩みを生み出す思い込みには、次の4つの要素があります。

  1. 家庭
  2. 教育
  3. 会社・職業
  4. 社会常識

これらに注目することで、問題解決の糸口が見つかります。

やり方は次のとおりです。

思い込みチャート分析法(p.163)
ステップ1:問題リストをつくる
ステップ2:思い込みチャート分析図をつくる
ステップ3:思考のゆがみの種類を突き止める
ステップ4:思い込みの出発点を突き止める

ステップ1:問題リストをつくる

自分が抱えている問題、気になる記憶をすべて書き出します。

問題リスト(自分が抱えている問題、気になる記憶)

書き出す作業は簡単ではないので、気楽にのんびり。

「思いついたときにリストアップする」のがコツだそうです。

悩みを解決するためのアクションプラン【実践編】」でもリスト作成の例を紹介しているので参考にしてみてください。

ステップ2:思い込みチャート分析図をつくる

書き出した問題リストの中から、解決したい項目を選びます。

選んだ項目を起点に、根拠・原因となるものを左右(上下)に展開していきます。

ステップ2:思い込みチャート分析図をつくる

このチャート図に答えはありません。

大事なのは、自分の思考がどうなっているのか探り、気づいていくこと。

思い込みの連鎖を見つけ出す作業です。

関連:憂鬱の出どころ・不自然な思い込みをあぶり出す「矢印法」

ステップ3:思考のゆがみの種類を突き止める

チャート図ができたら、自分の思考のクセを探していきます。

ステップ3:思考のゆがみの種類を突き止める

ゼロか100→「白黒思考」
具体的な根拠より感情表現が多い→「感情的決めつけ」
「~しなければ」→「すべき思考」

などなど。

ユガミン(『悩みは、がまんするしかないのかな?』)(こころの健康副読本編集委員会『悩みは、がまんするしかないのかな?』p.6)

参考:あなたが仲良しのユガミンは?『マイナス思考と上手につきあう認知療法トレーニング・ブック』

ステップ4:思い込みの出発点を突き止める

考え方のクセは、思い込みによって強化されていきます。

そんなカチコチになった考え方をほぐすためには、思い込みができあがった原因を探る必要があります。

しかし、原因は、無意識の奥にあり、見つかりにくいもの。子供の頃から現在までの記憶や経験が絡んでいるため、一筋縄ではいきません。

例)
悩み「仕事で結果が出ない」
→ 経験が少なく未熟だから
→ 未熟なのは場数を踏んでいないから

悩みの原因「場数を踏んでいないから」

解決策「場数を踏めばいい」

一見、悩みの原因をつきとめられたように見えますが、これだけでは根っこの部分までは踏み込めません。

思い込みの原因を突き止めるためには、

「そもそも、なぜ場数を踏むことができないのか」

ということまで考える必要があるのです。

悩みを深掘りするためには、次の5つの問いが役立ちます。

  • 背後に隠れた重要な問題はないか?
  • もっと具体的に表現できないか?
  • 特にそう感じる場面や条件はあるか?
  • そう思う根拠(事実)は何か?
  • もし他の可能性を考えるなら、どんな根拠が挙げられると思うか?

さらに、確信度をパーセントで評価すると、思い込みかどうかを検証しやすくなります。

確信度(100%-50%-0%)

100% 絶対にそうだと確信する
50% ある程度思う
0% まったくそうではない

確信度をパーセントで評価する

そのうえで、さらに問いかけをくり返し、チャート図の先を考えていきます。

  • それは本当に究極の根拠か?
  • それは世間的な常識? 自分で決めた基準?
  • それにこだわる根拠・理由は?
  • いつ頃そういう確信を持つようになったか?
  • そう実感させる元の判断基準は?

このときの確信度が50%未満のものは妥当性がないため、今すぐ捨ててもいい考えであると著者は言っています。

「さぁ、残念な自分をつくっている思い込みを捨てよう」

そんな言葉一つで考えを変えることができるなら苦労しませんが、焦らず、一つ一つ。

他の対処法や整理法を試しつつ、気長にねじれやゆがみを補正していきましょうね、とのことです。

まとめ

今回は、思い込みを突き止めるためのワークを紹介しました。

ステップ1:問題リストをつくる
ステップ2:思い込みチャート分析図をつくる
ステップ3:思考のゆがみの種類を突き止める
ステップ4:思い込みの出発点を突き止める

人生を支配する「思い込み」の正体を知れば、笑顔あふれる人生を生きられるようになる!

とのことなので、できる範囲でいろいろ試していきましょう。

他にも参考になる具体的なハウツーがたくさん紹介されているので、また関連する話題を紹介していけたらいいなーと思っています。

 

<本日の一冊>
鈴木敏昭 (2015)『人生の99%は思い込み――支配された人生から脱却するための心理学』ダイヤモンド社 pp.162-174

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