来年の年賀状は書きましたか?
鬱々としているときに年賀状を書くのは大変です。年に一度のご挨拶をきちんとしたい方にとっては、なかなかつらい季節なのではないでしょうか。
「もう出さない」と割り切れればいいのだけれど、そういうわけにもいかない……。年賀状文化を大切にしたい気持ちが強い人ほど悩みは深くなります。
今日は、うつ療養中の年賀状事情はどのようなものか、自分自身の経験を振り返りながら考えてみました。年賀状に関するモヤモヤを抱えている人と分かち合いたい話題です。
年賀状の憂鬱ポイント
元気なときにもらう年賀状は嬉しいし、懐かしさに浸れます。しかし、落ち込んでいるときに受け取るそれは、ただのモヤモヤ発生器になってしまうことも。
療養中の人が抱えていそうな年賀状の悩み。思いつくものを挙げてみます。
年賀状作成がおっくう
書くのがめんどくさい。これに尽きます。
私はもともと年賀状を書くのが好きで、毎年楽しみにしている行事だったのですが、病気と診断された年は……はっきり記憶にありません。
ひどい抑うつ症状から回復してからは、うめきながら作成しました。パソコンで作って印刷するだけなのに、ものすごく苦労して。
今思うと、「年賀状を絶対に出さねばならぬ!」と強迫的になっていた気がします。
友人・知人の幸せ報告がキツい
アラサーちゃんには、結婚・出産を知らせる年賀状が必ず届きます。
それは大変喜ばしいことですし、嬉しいんです。でも、それ以上に泣きたくなります。うらやましすぎて。
自分なりに現実を受け入れて、今の生活に幸せを見い出せるようになっても、やっぱりみじめ。まぁ、病気関係なく私はこういう事態に陥っただろうと思いますが(それはそれで悲しい)。
小さなトラウマが軽くフラッシュバック
因縁の人からのお年賀、なんて言うとちょっと大げさですが、嫌な思い出がある人からのメッセージはやっかいです。
嫌なら出すのやめればいいじゃんという話なんですが、親戚やお世話になった人に出さないのはためらわれます。
それに、相手から届くメッセージは防ぎようがありませんし、いくら見る前に封印しても、届いたという事実が記憶を呼び起こすのです。
親戚、友人・知人の集まりで、その話題に触れられるという危険性もはらんでいます。
返信がおっくう
想定外の人から年賀状が届いたとき、その返信のめんどくささは尋常ではありません。というのは言いすぎですが、「あぁ~、嬉しいけど、返信どうしようかな~」と考えるのが地味に労力を使うんですよね。
ハガキでもメールでも書き始めれば何てことないんです。が、ボーっとした頭でこれらの工程をこなすのは疲れます。
返信していない罪悪感
体調が悪くてどうしても返信ができなかったときに感じる申し訳なさ。
「せっかく忙しい合間をぬって年賀メッセージ送ってくれたのにごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「もういいや」と割り切った相手でも、ほんのり罪悪感はあります。そういうときに限って、心温まる素敵なメッセージが綴られていることもあって、ごめんなさい倍増。
年賀状モヤモヤ問題にどう対処する?
さぁ、これらの問題にどう対処したらいいのでしょうか。
私はこんな感じで乗り切りました。
年賀状を一切出さない
一番簡単で確実な方法は、年賀状文化に背を向けること。「出さない!」と決めてしまえば、気がラクになります。
「出さないと人間性を疑われる」みたいな風潮があるから簡単に割り切れない! という場合もあるでしょうが、新年の挨拶は死ぬ物狂いでやるようなものではありません。体調が悪いときは、年賀状を書くことより身体を休めることが必要です。
出したい人にだけ出す
「あの人、元気かな?」「お世話になったなぁ、感謝感謝」という気持ちを伝えたい人に出す。何を書いたらいいかわからなくてモヤモヤ・イライラする相手には出さない。それでいいと思います。
当たり障りないメッセージ・テンプレで対応
うつ病で療養していることをわざわざ報告する必要はありません。ありきたりなメッセージでも心がこもっていればOK。何なら心がこもっていなくてもOK。年賀状を送る、このことで十分気持ちは伝わるはず。
あまり難しく考えず、よくあるテンプレートを使ってご挨拶しましょう。
「お変わりありませんか?」
「お元気ですか?」
「ご無沙汰しております」
「いつも温かいお心遣いをいただき、ありがとうございます」
「○○さんの優しさにいつも感謝しています」
「今年も素敵な年になりますように」
「○○さんにとって、幸多き一年となりますようお祈り申し上げます」
「今年もよろしくお願いします」
「時節柄ご自愛ください」
「お身体にお気をつけてお過ごしください」
などなど。
返信は即座にパパッと片付ける
送っていない人から年賀状が届くと焦ります。出さないことに罪悪感を感じてしまうときは、先のテンプレを借りて、ささっと片付けましょう。
「ご挨拶が遅れ、申し訳ありません」のような文例もありますが、私はそういったことは書かずに、通常の年賀状と同様、無難なメッセージを送りました。
寒中見舞いを出す
どうしても調子が悪くて年賀状を書けないときは、寒中見舞いを出すという手もあります。寒中見舞いは、松の内(1月1日〜7日)があけてから立春(2月4日頃)までの間に出します。
私が年賀状を出せなかった年は、体調が落ち着いてから簡単な手紙を書きました。内容は忘れてしまいましたが、友人には「年賀状ありがとう、嬉しかったよ~」的なことを書いた記憶です。
年賀状を何度も見返さない
友人・知人の充実ぶりに落ち込んでしまいそうなときは、年賀状を封印しましょう。
床に伏せっているときには年賀状を見る気力さえないのですが、体調が安定してくると、どうしても身の回りのものが目につきます。そうするとついつい見てしまうんですよね。絶対落ち込むってわかっているのに。
どうしても見たくなるのは、その人のことが気になるから。でも、「よかったね」という気持ちが強ければ強いほど、自分の惨めさが浮き彫りになって泣きたくなります。
だから、元気になるまでは見ない。考えない。
最後に
もし今の時点で「んあぁ~、年賀状どうしよ~」とうめいているなら、
① 今すぐ書く
② 今年は年賀状を出さない
このどちらかを選択することをおすすめします。だって、あーでもないこーでもないと思い悩んでいる時間が一番しんどいから。
年賀状を出さなくたってどうってことありません。もし、年賀状を出さなかったくらいで切れてしまう関係は、しょせんその程度の関係。「年賀状を出さないなんて人としてありえない!」と怒り狂う人は、しょせんその程度の人(いや、ちょっと可愛いですよね、年賀状1枚でプリプリ怒って。それに期待していた人から年賀状がこない寂しさはわかる)。
今は、少しでも穏やかに過ごすことを最優先に。
心から新年の慶びを祝える日が来るまでは、少しの間、穴ぐらで冬眠することにいたしましょう。
私は差し出ししません。因縁の相手からは届いたことがありませんのでよく分かりませんが、他人の幸せのお知らせを見るとただでさえ病んでいるのに余計悪化しそうな感じがします。あの時こうすれば~等々負のスパイラルに陥ります…
ま、今も似たような状況ですが…(T_T)
kanabus_fanさん、コメントありがとうございます。
そうですね、出さないという選択が一番かもしれませんね。悲観的になっているときはちょっとした刺激でも過敏に反応してしまうので、それを防ぐ手立てを考えていきたいものです。
kanabus_fanさんに心穏やかな毎日が訪れますように。
わたしは今年5枚だけ、と決めて特にお世話になった方だけに書きました。
体調が悪いときはしんどい作業ですよね…。
今年はナミさんのブログに大変お世話になりました。
ありがとうございます。
良いお年をお迎えくださいね。
ひろこさん、コメントありがとうございます。
そうなんですよね、お世話になった方に感謝の意を伝える良い機会なんですが、体調が悪いときにはつらい作業なんですよね。悩ましいところです。
こちらこそ、一年間お世話になりました。
ひろこさんも、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。