漫☆画太郎先生の『星の王子さま』がめちゃくちゃ面白くて私は感動しております。
サン=テグジュペリの不朽の名作童話『星の王子さま』がこんなことになってしまうのか!!! と。
少年ジャンプ+(集英社)で1話~4話まで無料公開されています。
これだけですでに最高なので、興味のある方はぜひ読んでみてください。素敵な気持ちになれることうけあいです。ただし、お下品な表現が苦手な方はご注意くださいませ。
で、この『星の王子さま』、公開された当時に読んで「最高だな~」と思っていたのですが、読みっぱなしで最新話もチェックしていませんでした。が、先日いきなり「漫☆画太郎のマンガを読まねば!」という天啓を得て、コミックス1~3巻をポチりました。
でね、初めて読んだときから大分時間が経ってるので、すんごいワクワクしながらページをめくるわけです。
そしたらもう、とにかく最初からやばい。
まず「はうあ!!!」からの王子の登場シーン。クレイジーです。そして次ページにあらわれる「サン☆テグジュペリ」。ここだけで完全に持っていかれます。
もはや原型をとどめていないように思えるのだけれど、原作に忠実なところもあって、それがまたジワジワくる。さらに、各所にジブリ臭もプラスされていて、それもまたをかし。
読み終わってから、原作を読み返してみたんですが、驚くべきことに「王子わりとそのままじゃん」と思いました。漫☆画太郎先生は、王子がいかなる存在かということを実に的確に描いていたのですね。目に見えているものがすべてじゃない、心で見なくちゃ物事はよく見えないってことさ……。
というか画太郎先生が描く王子も、鼻水よだれダラダラ垂らしてなければ普通にキュートです。右手に斧、左手に生首、そして全裸であることを忘れれば、ほんと普通に可愛いの。
この当たらずといえども遠からずな描き方が絶妙で、癖になります。
以前、フランスのマンガ版『星の王子さま』を読んだことがあります。
こちらも純真無垢な原作の世界観とはひと味違った作風。王子さまがこましゃくれたキャラクターで、クソガキ感があるんだけど憎めない、いい話のところでは不覚にもウルッときちゃったワという感じです。
で、原作とは違った表現の仕方に「なるほど、こういう解釈もいいね!」と感心してずっと印象に残っていました。ベストセラーになるのも納得だわーって。
でも、画太郎先生のマンガで全部吹っ飛びましたよね。かなわない。どうやってもかなわない。
「王子そのままじゃん」とさっき書きましたが、まぁやっぱり原作とは全然違います。キャラのビジュアルとかいろいろやばい。途中から日本の高齢者の薬の摂取量が世界一云々とか、日本政府は大事なことを隠蔽する云々とか、なんだどうした大丈夫か的展開もあり、一瞬たりとも目が離せません。
さまざまなところで引用される『星の王子さま』の名言「たいせつなことはね、目に見えないんだよ」がこんな感じになっちゃうのかーーーというところも見所(?)。
ほんとにお下品な表現も多くて、人様におすすめしたら、こちらの品性を疑われてしまいそうなのですが、この作品を読んでいるとき、私は本当に喜んでいる。
だるくて力が出ない、体が重い、趣味も楽しめない、何かを考えようとすれば悲しみに襲われる、興味も失われてしまったようなときでも、「はうあ!!!」と驚愕するジジイを見れば、思わずふふっと笑ってしまうのです。
漫☆画太郎先生はすごい。
サンキューマートで販売されていた漫☆画太郎コラボポーチ(ババアと毒見)が売り切れになっているのを見て、ものすごいショックを受けてしまうも当然だなと思いました。
さらにもっと前に発売された画太郎先生のスマホケースも素晴らしいものでした。
4年くらい前ですかね、このときも元気をもらいました。
いやはや……(感嘆)、『星の王子さま』の4巻が出るのが待ち遠しいです(4巻が出るか出ないかはパトロン次第だそうな……)。
それまで何とかがんばろう。