毎日暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
暑い夏を迎えるたびに思い出すのは、ひどい抑うつ状態だったときのこと。私はいつも布団をかぶって寝ていました。
初めて病院にかかったのが7月。3か月くらいは何もできない状態で、めちゃくちゃ暑かったはずなのですが、そういう記憶はあまりなくて、ただただ布団をかぶってうなっていた印象です。
とにかく外界をシャットアウトしたかったんですよね。布団をかぶったからといって安心できる世界が確保されるわけではないのですが、そうせずにはいられない、この方がまだましという感じで。
マンガ『ツレがうつになりまして。』の中でも、ツレさんが布団をかぶって寝ている様子が描かれています。その横には「カメフトン」の文字。「しくしくしく」の吹き出しも。
調子が落ち着いてからその本を読んだとき、思わず笑ってしまいました。まさにその通りの状態だったから。
同時にちょっと安心しました。布団をかぶってずっとウンウンうなっているだけなんて人としてダメだ、終わってると思っていたから。
そのときのことを思い出すと、今こうしてそれなりの生活が送れていることがものすごいことに感じられます。人間は変化する生き物なのですね。
とは言え、「あのときに比べればよくなってるから」と声をかけてもらっても、素直に納得できないこともありました。「確かにそうなんだけど、あれは異常だから。あれを基準に考えてたらダメ!」という意識が強くて。焦りや不安がいっぱいで、回復をよいこととしてちゃんと受け入れられませんでした。
まぁ、そういう葛藤も含めた経験が今の私をつくっているので、結果的にムダなことではなかったと言えるのですが、こういうのってすべて結果論で、今苦しんでいる人にとっては何の意味もないよなぁと思います。じゃあ、なんで言うんだよと言われると困ってしまうのですが、こういうふうに聞かれてもいないことをベラベラしゃべってわかったような口を利くような人に対してイラッとしたりモヤっとしたときは「うるせー!」と素直に言えるといいのかもしれないですね。
「バカヤロー!」と思った直後に、「親切に声をかけてくれる人の好意を素直に受け取れないなんて最低の人間だ」と自己嫌悪に陥ったときは、「私って良識のある人間だわ」と言うのがよろしいかと思います。
今カメフトン状態の人に何かメッセージを伝えるとしたら、「ちゃんと水分取ってね」と言うのがいいでしょうか。栄養をしっかり摂ることもすすめたいですが、食欲がないこともありますしねぇ。うーん、困った。
私にできるのは、黙ってそばにいることくらい。
今つらい思いをしているあなたの気持ちに寄り添うことができたら……と思うのですが、ブログではそれができないから、すごくもどかしい気持ちです。
ネットの難点ですね。同じ空間で沈黙を共有できないこと。
だけど、誰かを想う瞬間、心にはその人がいる。そんなふうに思うと、ちょっと心強くなれます。
あなたの心が少しでも軽くなりますように。
いつかカメフトンの思い出を語り合いましょう。
<カメフトンの名著>
細川貂々 『ツレがうつになりまして。』 幻冬舎文庫
【関連エントリー】
「ツレうつ」細川貂々が描く、心が軽くなるマンガ『イグアナの嫁』
先ほどは間違えてコメントを送信してしまい、すみませんでした。
ナミさんのブログに救われています。
あなたの考えを公開してくれてありがとう。
本当にありがとう。
にゃーさん、コメントありがとうございます。
こちらのコメントの前にメッセージを送ってくださったのでしょうか。他ににゃーさんのコメントは届いていませんでした。どうぞお気になさらず。
そんなふうに言っていただけるとすごく嬉しいです。私の方こそ救われる思いです。ありがとうございます。
にゃーさんのまたのお越しを心よりお待ちしていますね。
とみです。
辛い時にナミさんの記事を読んでます。
寄り添ってくれているんだなと安心してます。
うつ状態が5ヶ月経ちました。
執着を捨てれず苦しい5ヶ月。
そんな時にナミさんの記事を読んでます。
救われてます。
ありがとう。本当にありがとうです。
とみさん、コメントありがとうございます。
そう言っていただけると嬉しいです。画面を通してでも気持ちは伝わるんだなぁと感激しています。
とみさんのメッセージにはパワーを感じます。コメントをいただくたびに、私の中にある迷いが払拭されるというか、自分が感じたことをそのまま書けばいいんだよねと教えていただいているような気がします。いつもあたたかいお言葉をありがとうございます。
とみさんのつらい気持ちが少しでも和らぎますように。
とみです。今日は健康診断でした。体は健康!でも心はまだまだ回復中。
ナミさんの色んな話にもパワーを感じます!生きる力。気持ちのコントロールする方法論。すごいなと勇気を貰えます。また、自分のためもあると思いますが、なにより今を苦しんでる人への心配りが文章から伝わります。だから、わかる!わかる!って思えるし、ありがとうって思えます。
新しい記事も拝見しました。
なるほど!参考にしよう!と思いました。
同時に、ここまで来るのに相当辛い試練のような時間を乗り越えて来られたのだなと。ナミさんも無理しないでね。
僕はまだまだ、凝り固まった考えを手放せません(笑)思うように行動にも移せません。薬を飲み耐える毎日です。でもナミさんの記事を参考にして焦らず1日1日を乗り切ります。
いつか、ナミさんに治ったよ!って報告したいです。
長文失礼しました。とみ。
とみさん、いつもありがとうございます。
健康診断、お疲れ様でした。体は健康! 素晴らしい! 私は先日採血をしてきました。健康診断も定期的にしないといけないですね。そういえば、歯医者さんにも定期健診きてくださいね~と言われました。健康第一、心がけます。
ホントにとみさんにはいつもありがたいお言葉をいただいてばかりで。そんなふうに言っていただけて嬉しいです。そして、それ以上に恐縮です。
耐え忍ぶ日々は何よりつらいものです。先が見えない不安、その中で希望を持ち続けるのは容易ではありません。とみさんがおっしゃる通り、焦らず1日1日を乗り切るのみですね。
喜びの報告もそれ以外の報告もお待ちしています。とみさんも無理なさらないでくださいね。
はじめまして
ブログ拝見しました。
20代半ばの者です。
共感して、涙が出ました。
私自身、自律神経失調症という状態から色々と抱えているので、[生きる]ということだけでも、大変です。
最近だと、頭の状態は波が激しいです。
思考は固くなり、柔軟さに欠けます。
どんなことをしたい、など業界などあるも、不向きかも、と考え、先が見づらいです。
生きづらさ、もかなりあります。
やることなすこと、空回りで卑下してました。
ありがとうございます(..)
サイさん、コメントありがとうございます。
そうですか……、つらい日々を過ごしていらっしゃるんですね。確かに「生きる」ということは難しいですね。いくら動物として生きていても、社会的に「生きる」となると次元が違うというか、とにかく気を使うことが多いものです。
思考が固くなる、柔軟性に欠けるといった状態はよくわかります。頭ではわかっていても簡単にコントロールできるものではなくて困ってしまいます。どうしたらつらい感情・思考から抜け出せるのか、サイさんに合った方法が見つかるといいですね。焦らず、じっくりいきましょう。
苦しみは簡単に消えないかもしれませんが、サイさんの心が少しでも軽くなるよう祈っています。
はじめまして。
21歳の娘が2ヶ月前よりうつ病で苦しんでおります。生まれつき知的障害があるので思いをうまく伝える事が出来ずこちらもなかなか理解してあげられず途方に暮れておりました時にナミさんのブログにたどり着きました。うつ病の方の苦しみはなった方にしかわからない壮絶なものだと思い知らされました。まだまだ先が見えませんがナミさんのブログを頼りに前に進んでいきたいと思います。残暑が続きますが体調を崩されませんように。またお邪魔させて下さいね。
ミルルさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
うつ病で苦しんでいる娘さん、それを見守るミルルさんも苦しい気持ちを感じていらっしゃるんじゃないかと想像します。
このブログは療養中の患者さんに向けて書いているので、なかなか触れる機会がないのですが、周りで支える人のつらさもまた計り知れないものです。大切な人が目の前で苦しんでいて、助けてあげたいのに何もできない、そんな無力感やもどかしさ。私が苦しんでいるときに見守ってくれた人たちのことを思い出すと、申し訳なさと感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。
ミルルさんの優しさもまた心に沁みるものがあります。きっと娘さんにもその愛は伝わるでしょうし、それが回復への力になると信じています。
ミルルさんもどうぞ無理をなさいませんように。たまには気分転換や趣味を楽しんで、ミルルさん自身の喜びの時間を大切にお過ごしください。
娘さんのご回復を心よりお祈りしています。
ナミさん、心温まる返信をして頂きありがとうございます。
娘の変化に一喜一憂して疲れる日々でしたが私が倒れるわけにはいかないので
そのうち良くなるかな…くらいの気持ちで見守っていきたいと思います。
↑実際無理ですが自分に言い聞かせています。
ナミさんのブログ、コメントに力をもらっている人がたくさんおられると思います。
私もその一人です。出会えたことに感謝しております。
少しでも良い報告が出来ますよう進んでいきますね。
ミルルさん、こちらこそ温かいメッセージをくださり、ありがとうございます。
そうですよね、目の前に苦しんでいる娘さんがいるのに、「あまり力まず」というのも難しいですよね。もし私がその立場だったら……と考えるだけで何とも言い難いつらさが胸に広がります。
それでも、ミルルさんがおっしゃる通り「そのうち良くなるかな」ぐらいの力加減が一番なんですよね。波があったり希望を感じられなくなるときもありますが、時間をかけて焦らずじっくり付き合っていくことが近道になるのかなぁ……と。なかなか難しいところです。
私の方こそ、こんなにも優しいコメントをくださるミルルさんとつながることができて感激しています。本当にたくさんのパワーをもらって心がホットホットです。私の心を温めてくれたミルルさんの優しさは、娘さんの苦しみをきっと和らげてくれるはず。
ミルルさんと娘さんに穏やかな日々が訪れますように。