ナミうつブログ

「うつ」のお悩みを軽くするヒントを双極Ⅱ型障害の人が模索するブログです。

常識を疑え!『俺ルール!自閉は急に止まれない』

 

自分はまだまだ視野が狭い人間だと気付かされました。

みんながみんな、自分と同じものを見ているとは限らない。
考え方も捉え方も人それぞれ。

そういうことをより具体的に実感できる本です。

30代でアスペルガー症候群と診断されたニキ・リンコさん。これまでの生活を振り返りながら「自閉っ子」独特の受け止め方を紹介しています。

ニキ・リンコさんがここで言っている「自閉っ子」は、自閉症や自閉傾向のある人(アスペルガー症候群など)のことを指しているようです。

病気についての難しい説明ではなく、「自閉っ子」たちに共通して見られる認知を具体的なエピソードを交えて紹介しているので、とてもわかりやすい内容です。さらに、その独自のルールにより苦い経験をしたニキ・リンコさんの軽妙な語り口も面白い。お喋りをしているような気軽さで最後まで楽しく読めます。

自閉症を知るための入門書としてもオススメです。

 

なかなか理解されにくい自閉っ子の考え方

タイトルにもなっている「俺ルール」は、定型発達の人から見ると「なんじゃそれ」と思われるようなもの。その「自閉っ子」独自のルールが生まれる要因として、リンコさんは2つの特性を挙げています。

  • 見逃す情報が多い割には、見るところは深く見ている(自閉式入力)
  • 拾った情報は貴重なので、ハイパーりちぎにそこで得た法則を守ろうとする(自閉式出力)

例えば、こんなエピソード。

学校の水やり当番だったリンコちゃん。その日は大雨。早く帰りたかったけれど、雨に濡れながら花壇の水やりを教わった通りにこなしていました。

それを見た担任の先生が怒鳴ります。どうやら、雨の日は水やり当番を休んで急いで帰らなくてはならないらしい。

数日後、また雨が降りました。水やり当番のリンコちゃんは急いで家に帰ります。雨なのに水やりをしたら、先生に怒られてしまうから。

が、その日のリンコちゃんの担当は、花壇ではなく教室の植木鉢だったのです。

植物が水を必要とするということは知っていても、学校の「水やり当番」と、お母さんが家でしている「水やり」は別モノだと思っていたとリンコさんは言います。

  • 「雨の日はさっさと帰る」という新しいルールが増えたとしか思わなかった。
  • 「花壇はすでに雨でたっぷり濡れているから、水やりが必要ない」とは気づかなかった。

そう言われると、「なるほど確かに」と思います。

「ちょっと考えればわかるだろ」とつっこみたくなる気持ちもわかるけれど、先生は教えてくれなかったんだもん。

本人は言われた通り一生懸命やっているだけ。それなのに怒られたら、戸惑いますよね。

私も物事を四角四面に受け取ってしまう傾向があります。上手に手抜きができない。必要ないところでも頑張ってしまうから効率が悪い。程度の差こそあれ、そういう人も結構いるんじゃないでしょうか。

頑張っているのに報われないと泣きたくなります。

 

小さなのぞき穴から全体像をつかむのは大変

もう一つ、わかりやすい例えがありました。

リンコさんは小さい頃から、何でもかんでもアップで見ていたと言います。

  • えんぴつの刻印
  • えんぴつを削ったときの塗料の層が斜めになった断面
  • 乾電池の皮の重なり部分
  • 軟膏のチューブのふたをとったら出てくる首のところ
  • 木ねじのらせん状のみぞ

こんなふうに、細部をじっくり見ているから、周りの人にとっては些細な違いでも、リンコさんにとっては決定的な違いになります。

例えば、イチゴ。リンコさんには、一つ一つがまったく別のものに見えるのだそう。

確かに、言われてみれば、まったく同じ形のイチゴはありません。意識したことはなかったけれど。

一度に目を配れる範囲が狭いために、全体像がつかみにくい。

それをリンコさんは、小さな穴から一生懸命のぞいているような状態と説明します。

見え方のイメージ

これはあくまでもイメージなので、実際はもっと違う感覚なのかもしれませんが、とても不自由だということはよくわかります。

でも、一点集中で、細かいところまで観察できるということは、必ずしもデメリットではないですよね。なかなか人が気付かない細部に気付けるってことは、小さなミスを発見できるし、商品開発に求められる視点にもなり得ます。

もし私がリンコさんと友達だったら。私はリンコさんに全体像を教える。リンコさんは私に部分的な特徴を教える。そうすれば、その物に対する理解はより深まります。そうやってお互いを補い合える関係を築けたら素敵です。

 

最後に

自分の見えている世界がすべてではない。

この本を読んで改めて気付かされました。

まだ自分でも気付いていない勘違いがあるかもしれない、とリンコさんは言っていましたが、私だって気付いていないことたくさんあると思います。当たり前だと思い込んでいることも多いでしょう。そのことで、知らず知らずのうちに誰かを傷付けているかもしれません。

ほんとに、ちょっとしたことなんですよね。でも、知っているか知らないかの違いは大きい。自分の感覚が絶対だと思っていては、ちょっとした誤解やすれ違いに気付けません。

当たり前が当たり前とは限らない。

肝に銘じておきます。

 - , 雑記・独り言 

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