「素直な心を持ちたいね」
ノートにこんなメモ書きがありました。ひねくれたことばかり言う人にウンザリして書いたものです。
そこには自分も含まれます。
人の言葉を素直に受けとめられない。
自分の気持ちを素直に表現できない。
「つらい」「苦しい」「死にたい」と思ってしまうのは、本音を押し殺しているから。自分の気持ちに正直じゃない。正直になれない。もしかしたら「正直になってはいけない」と思っているのかもしれません。
さらに問題なのは、自覚がないこと。自分が強がっていることに気づけない、あるいは気づきたくない。それは自分と向き合うのが怖いから。真実を知ってしまったらすべて崩れてしまうような気がするから。
そういう自分の弱さを認めない態度は可愛げなくて、人を遠ざけます。そうすると、ますますつらくなります。
何とかしなきゃ、変わらなくちゃ。でも、できない。
さぁ、どうしたらいいのでしょう?
傷つくのが怖くて自分を守ってしまうのです
「俺は絶対悪くない!」
「悪いのはお前だ!」
そんなふうに訴えたくなるときってありますよね。理不尽なことを言われたときなんかはもう腹が立ってどうしようもない。もしそれが個人の尊厳を傷つけるようなものであれば、被害を訴えるのは当然です。
ただ、日常の対人関係において、「俺は悪くない!」と訴えることはあまり意味がない。人を傷つける行為は許しがたいけれど、感情的な被害者意識は何も生み出しません。それどころか、ドロドロした怨念はイヤな気持ちを膨らますばかり。妥協点を見失ってしまいます。
「私が悪いんです何もかも」
これもある意味では同じ。私の得意技です。これって謝っているようでいて謝っていないんですよね。自分を全否定することで相手をシャットアウトしているだけ。「お前にも悪いところはあるだろ?」と暗に示しています。責められないための防御法であり、攻撃でもあるのです。全然素直じゃない。
これらに共通するのは、「ボクのこと大事にして」「傷つけないで」という思い。
子どものように「もっとかまって!」とは言えないから、こういう表現方法になってしまうのかもしれません。相手が自分を攻撃できないようにうまく加工する。
でも、自覚してやっているわけじゃないから、な~んか気持ち悪いわけです。よくわかんないけど常にモヤモヤ。
そりゃそうです。たとえ自分の主張が正しかったとしても、相手や自分を責め続けるのは心苦しいに決まってます。
こういう心境が「生きるのがつらい」という悩みにつながるのでしょう。自分の本心に気づいていないから、悩みがいつまでも消えない。
「私を大事にして!」と相手に求めていること、愛情を欲していることを素直に認める。
それがはじめの一歩かなと思います。
強がってばかりいると人は離れていく
自分の本音に気づいても、それをうまく表現できない。
これはきっと誰もが経験していることなんじゃないかなと思います。
例えば、男の子が好きな女の子にイジワルしちゃうパターン。可愛らしいですね。でも、もし私が当事者であれば面倒くさいことこの上ない。イジワルしてる男の子だって「なんで反対のことしちゃうんだ~あぁぁぁ」と自己嫌悪しているわけで。
これは頑固親父の強がりにも通じますね。親父に限らず、強がってしまう人はいます。彼氏にうまく甘えられない女性とか。能力が高い人、プライドが高い人にその傾向があるのかもしれません。
「なんで素直になれないの?」
私が今思いつく答えは3つ。
- 照れ隠し
- プライドが邪魔をする
- 傷ついた過去がある
恥ずかしくて素直になれないケースは、本人が「バカバカバカーーー!」と思っているでしょうから、わざわざ説明するまでもないでしょう。
問題は3つ目。無自覚に自分をガードしてしまう人は、ありのままの自分を否定された過去があるのかもしれません。
つらい思いをした。もうあんな思いはしたくない。でも、人と関わっていく以上、傷つけられるリスクはある。それを考えたら怖い。自分を守らなきゃ!
ガードを固めれば固めるほど、悲しい結果を引き寄せてしまいます。
そうやって自分を守ろうとして強がってばかりいると……
- 気持ちが伝わらない
- 可愛げのない態度は人を遠ざける
- 攻撃的な言動は人を傷つける
- 相手に不信感を与える
- さじを投げられる
結果として自分が傷つくことになります。そして、これ以上傷つかないように、ますます自分を守るようになる。素直になれない悪循環の始まり始まり~。
なんだか切なくなってしまいますね。誰も悪くないはずなのに。
恐れを克服するのは簡単ではないし、口で言うだけなら誰でもできます。
でも、実は難しいことじゃない。ふっと気づくだけ変わる。
「そんなに怖がらなくても大丈夫。まっすぐ向き合えば、ちゃんと人の優しさって感じられるよ」
私はそう思います。
「素直」を習得するレッスン
「素直な心を持ちましょう」は「フラットな人になりましょう」と言い換えてもよさそうです。
- 否定しない
- そのまま受け入れる
自分のことも相手のことも平らかに見つめたいものです。反発すればするほど、しんどくなってしまうから。
受け入れがたい相手の言葉も、とりあえず受け取ってしまえば、それなりにおさまります。あとは煮るなり焼くなりご自由に。そんなスタンスで自分の本心を見極めていきましょう。
「私は何を求めているの?」
より具体的な答えを見つけるために、こんな練習方法はいかがでしょうか?
強がりさんの本音探しゲーム
人の振り見てわが振り直せ。素直じゃない人を見つけて、学ばせていただきましょう。
強気な態度の中に潜む「やわらかな心」をダウンジング!
攻撃的な人ほど、切なる思いを抱えていることが多いものです。「もっとボクちんのことわかって!」「私をチヤホヤして!」「甘えさせて!」などなど。
上級者さんは、自分の中にある「素直な心」を探索しましょう。優しい人ほど巧みに包み隠していますから、探しがいがあります。
ただし、自分の中にある無邪気さと向き合うのがつらいこともあります。
私はそれでしょっちゅう悶絶しています。ときおり顔を覗かせる「優位に立ちたがっている自分」がキモい。吐き気がします。でも、そういう感情があることは事実なので仕方ありません。素直に受け入れます。
そして、その無邪気さを温かく見守ってあげましょう。それが大人ってもんです。多分。
「素直になれない」と言う
自分の意思を伝えるときにも、素直に言えたらいいですよね。
好きな女の子にイジワルしちゃう男の子も、頑固一徹の親父も、彼氏にうまく甘えられない彼女も、「やわらかな心」を表現できれば、愛されキャラに変身できます。
まずは「間違えちゃった~テヘ」とか「うはー、恥ずかしい!」とか言えたらいいんでしょうね。が、これまで築き上げてきたキャラクター的に無理、というケースは多そうです。恥ずかしさが邪魔をする。「今更そんなことできないよ~」と。そこをどうやって路線変更するか。なかなか難しいところです。
そういうときは、「あたし素直になれないの」と告白してみるのはいかがでしょう?
その瞬間にあなたは超素直人間になれます。つぶやくだけでもいい。自分で受けとめてあげられれば十分。
ドラマの主人公役を割り当てられたと思って言ってみてください。「素直になれなくて」というセリフ。
3、2、1、キュー!
「ごめんね」「ありがとう」を添える
あとは、「ごめん」「ありがとう」とちゃんと言えることですかね。
全面降伏するわけじゃなくて、「この部分は間違ってた、ごめんね」と言う。気に食わないところはあるけど、「あの言葉は嬉しかった、ありがとう」と言う。
それが傷ついた心を癒すことにもつながるのかなと思います。
心から思っていなくても、口に出すだけで何らかの変化はあります。損することはないので「とりあえず言っとけー」です。
相手のためではなく、自分のために。
「いつもありがとう」
最後に
ここまで、素直な心を持ちたいなぁという思いを綴ってきたわけですが、「素直になれない」と嘆いている時点で素直ですよね。
本当に苦しくてどうしようもないときは、限界ギリギリまで自分の気持ちを押さえつけているから、強がっていることにさえ気づけない。相手への憎しみを素直に表現できなくて、その怒りを自分に向けてしまったりするわけです。
そんなときに「素直になりなよ」と言われても「は? 別に強がってないし」となります。なんだか上から目線で言われている気がしてムカついてしまうのです。
それはそれで仕方ないので、まぁ、肩の力を抜きましょう、といったところでしょうか。頑張っているときはその言葉さえもイラッとしてしまうのですが。
そういうところもひっくるめて、現状をまっすぐに見つめられたらいいですね。そうすれば、相手や自分を傷つけることなく安心感を手に入れられるはずです。
髪を逆立てていきり立ったって、エネルギーを消耗するだけ。ずっしり重い鎧は疲れるから脱ぎ捨てましょう。
そうすればもっと心が軽くなります。自然に笑えるようになります。
そして。
何でもいいから、のんびりしたい。
それが私の素直な気持ちです。
はじめまして。
昨年末にうつと診断され休職中の27歳女です。
うつについてネットで色々調べていて、ナミさんのブログにお邪魔しました。
過去の記事も読ませて頂き、優しさ溢れる文章でとても心が楽になり、共感する事ばかりで、泣いてしまいました。
私も素直になれず、本音を言えないタイプです。吐き出す勇気も無く、強がっていた結果、うつになりました。
素直な人間になりたいです。
これからも更新楽しみにしています。
いきなりの長文駄文をお許しください。
しほさん、はじめまして。
このようなお言葉をいただき、とても嬉しいです。そして、自分と同じように感じている人がいると知り、私の方こそ救われる思いです。ありがとうございます。
しほさんはこれまで、自分を犠牲にして頑張ってこられたのかなぁと想像します。
本音を言うのは難しいですよね。私も全然素直じゃなくて、さらに困ったことに「素直な人」を演じるのだけは上手かったりして、自意識をこじらせまくっています。もっと自然体で生きていきたいものです。
せめてブログだけは素直な気持ちを綴っていけたらいいなぁと思います。
しほさんのまたのお越しをお待ちしていますね。
お久しぶりです。
最近身近な人にも「素直」になることの大切さを諭され、大変納得しました。
素直になれてない自分に気付くことが出来たと同時に、これまでどんだけ強がって生きてきたんだよ、と自分にツッコミを入れました。無自覚って怖いなぁと思いました。
素直になりたいなと感じたと同時に、素直な自分を受け入れられるのかな、という疑問もまた沸いてきました。自分に足りないものを補うために強がってきました。それを辞めた時に自分が持っているものって何なんだろう?
答えは簡単には見つからないかもしれませんが、自分に対して素直に接してくれる人って温かいなぁ、と感じまして。自分もこんな風になりたいな、とは思えました。
ひとつ、光が見えたような気がして嬉しい今日この頃です。
今回も素敵な記事をありがとうございます。
Yoschさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。
そうなんですよね。私も全然自分のこと見えていませんでした。いざそのことに気づいても、自分が感じていることは何か、答えがなかなか見つからなくて。
「素直な自分を受け入れられるのかな、という疑問」、よくわかります。私は核心がチラッと見えそうになっただけで「うわー、ムリムリ~!」とわめいています。そこには何にもないのに。弱みを見せることも相変わらずできませんし、やせ我慢ばかりして、ほんとに困ったもんです。
Yoschさんの場合は、相手のことを大切にするがゆえの「強がり」だったのかなぁ~という気がします。強がりというより優しさ? うん、そうだと思います。Yoschさんは素直で優しい方です。だからこそ、Yoschさんのメッセージはいつもまっすぐ私の胸に届くのでしょう。
自分ツッコミ、大事ですね。私も温かい人になりたいなと思います。カッコつけずにありのままの自分を魅せられるように。まぁ、できなくてもいいやぐらいの気持ちですけどね。
こちらこそ、温かくて素敵なコメントをありがとうございました。
お返事ありがとうございます!
私に向けてブログを書いてくださったのかな?って思ってしまう程、私の心の中にスーっと入る優しい言葉ばかりで、読んでいて自然と涙が出ました。
厚かましい感想で申し訳ありません。
私も素直でストレスが溜まらない性格を、知らず知らずのうちに演じていたのかもしれません。
ナミさんが仰しゃる通り、自然体で生きていきたいですね。
これからもしょっちゅうお邪魔させて頂きます!
しほさん、お返事ありがとうございます。
厚かましいどころか、そんなふうに言っていただけて本当に嬉しいです。こうして私の拙い言葉が誰かに届いているなんて奇跡のように感じます。大げさと思われるかもしれませんが、本当です。ありがとうございます。
「なんでこんなに嬉しいのかな?」と考えたら、それはしほさんの言葉がまっすぐで素直だからです。優しさゆえに本音を話せない人って、本当に優しいんですよね。しほさんもきっとそうなのかなと。私はそういう謙虚な人が好きなのです。
またいつでも遊びに来てくださいねー。心のネジがゆるゆるになって中身が勝手に飛び出してしまうようなナチュラル空間をご用意してお待ちしております。
はじめまして
みるといいます
23の女です
3月後半からインフルエンザで休んでから仕事に復帰しましたが
今度は心が病んでしまい、なんとか仕事にいってる状態です
今まで、そんなに病むことはなかったのですが、
自分なんて…
死にたいとおもうようになりました
介護福祉士と給料安くてバイトはじめてきつくて心が病んで
バイト、起きれず1日休んで怒られて
それを思いだし病んで
何でもかんでも悪い方向にかんがえてしまいます
これを読んで少しは前向きになれましたが
まだ病んでます
自分をせめてしまいます
どうしたらいいんでしょうか?