人それぞれ違うということを忘れてはいけない

チェックマークの札を挙げた人々

個人差があることを忘れると、自分には合わないやり方を取り入れてしまうことがあります。効果が出ないし、苦痛なのに、無理して続けてアンハッピー。

特に何でも素直に受け入れてしまうタイプの人は、すべて疑ってかかるぐらいの態度が必要でしょう。あるいは、外部から取り入れた情報を元に「私はダメなのかな」と自信を失ったり自分を責めたりする人も。情報を鵜呑みにするのではなく、自身の経験からわかったことを判断材料にするのが吉。

もちろん他人の経験にも参考になる部分はたくさんあるので、そういう部分を探しながら話を聞くことは役に立ちます。

でも、基本的には「果たして自分に当てはまるかな?」と実験するつもりでいるのがちょうど良さそうです。

そして、自分の経験だけを根拠に、説教めいた講釈(別名:善意のアドバイス)を押しつける方に対しては、「うるさいなぁ」ぐらいに思っておくのがいいかもしれません。

 

……などといったことを最近よく思います。不調の波を観察する中で抱いた感想です。

メンタルの不調はわかりにくいものです。高熱は体温計で測れるし、骨折はレントゲンで見える(見えない場合もあるそうですが)。しかし、精神は。いくらなんちゃら障害と診断されていたとしても、病気を言い訳にしたくない気持ちが強いと、「自分次第でどうにかできるんじゃないか」と考えがちです。一般的に言われる方法を実践すれば、うまくいくはずだ、と。

でも、どうやったってうまくいかないことはあるんですよね。

例えば、私は気力が失われて困ってしまうことが多く、しょっちゅう「やる気がない」と言っています。

やる気を出すハウツーはちょっと探せばいくらでも見つかります。結論としては「やる気とか関係ねぇ、要はやるかやらないか、やる気がなくても惰性でやるだけ、習慣にせよ」というあまりワクワクしない答えになるのですが、それを実行できるときもあれば、実行できないときもある。

調子が悪いときにはどんなに工夫しても踏ん張ってもうまくできません。でも、体調が落ち着けば、それほど苦労なく「惰性でやる」ができます。

それはいつも後になってからわかるのです。やっぱり不調が原因だったんだなと。でも、渦中にいるときにはわからない。

わからないから答えを探す。その中で得られた「行動すればやる気は出る」という答え。これが正しいと考えると「行動しないからダメ」になります。

でも現状は、やすやすと行動できる状態にはない。一般的な答えには当てはまらない状況にある。

人それぞれ状況は違う、個人差があるということを忘れてしまうと、自分を責めることになってしまうのですよね。

「なんでできないんだろう」と困ったときに、「一般的には○○」という答えを唯一の正解にしてしまうと、よろしくない感じになります。

どんなことにも例外があります。というか、人それぞれ置かれてきた環境が違うし、性格や気質も違う。ある人に当てはまるからといって、自分にもぴったり当てはまるわけじゃない。共通点がたくさんあったとしても、100%シンクロすることはありえない。同じことをしても正反対の結果になることもあるかもしれない。

だからこそ、あれやこれやと試行錯誤して、自分に合った方法を見つけましょうね、という話(思わぬところに異常が生じている可能性もあるので、メンテナンスも忘れずに)。

というわけで、自分を責める傾向があったり、行き詰まりからなかなか抜け出せないと感じているときには、「今自分がやってる方法は適切なのかな?」と一度確認してみるのがよさそうです。

 

人それぞれ違うということを常に意識すると、他人の言動に一喜一憂しにくくなります。「おれはおまえじゃない」「おまえはおれじゃない」と冷静になれる。自分に合わない方法を除外しやすくなるし、無用な苦しみを減らせるようになります。

さらに、こういった態度は「自分ならできる」という前向きな考え方にもつながります。他人とは違う自分の道を進む、それは自分以外にはできない、現状を打開できるのは自分だけだと。そういう強い心を持てるというか、自分の人生に責任を持てるというか。

なんかすごい健全な感じです。いい感じ。たとえノロノロペースで不器用で不合格と言われたとしても、自分なりに試行錯誤して、笑顔でやっていけたのならば、それでいい(現実的には良いと言えないことも多いですが)。少なくとも、変なやり方をして苦悶の表情を浮かべているより断然良い。至らないことを苦にして命を絶つよりは良いでしょう。

そうやって自分の生きる力を引き出せていけたらいいのかしらね、というようなことを考えたりしています。

自分に合ったやり方、見つかるといいですね、お互い。

1 COMMENT

あじさし

「やる気が感じられない」と言われ、ショックだったことがあります。自分にその認識がなかったから。
僕のやる気が出ない理由ってなにかな?それをやることに納得できないとか、今は疲れているとか、こんな世界は嫌だとか、とにかくまったく何にもしたくないとか。
つべこべ考えずにやればいいんだ、と自分で思い込んでやろうとしてうまくいかず負のスパイラルに、ということもありました。
ナミさんのおっしゃるとおりですね。僕に「やる気が感じられない」と言ったのは、その人の期待(基準)からでしょう。他人の基準で自分を測っていては苦しくなりますね。

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