今朝、焼き上がったロールパンをオーブントースターから出すときに、やけどしてしまいました。指が鉄の部分に触れて「ぅわちゃーーっ!」って。
やけどと言っても全然たいしたことないんですけど、ちょっと前の私なら落ち込んだんだろうな~と思います。
「こんなミスをするなんて、私はやっぱり愚かで価値のない人間だ!」
「注意力が足りないから、こんなバカなことをするんだ!」
って。
うつ病になると、こんなふうに強く自分を否定してしまうことがあります。
健康な人でも失敗して落ち込むことはありますが、うつ病の人はその落ち込みがとんでもなく大きなものに感じられます。
例えば、こんなことはありませんか?
① 実際にはそれほど問題はないし、根拠もないのに自分を責めまくる。
② 周りの人が「そんなことないよ」と言っても、「そんなことなくない!」と言い張る。
このような2つの要素からなる思い込みのことを妄想と呼びます。うつ病になると、“妄想的な”自己否定が強くなってしまうのだそうです。
「やっぱり私が悪いんだ」と自分を責めるもう一つの理由
やけどした指を冷やしながら、ふと思いました。
「やけどしたことない人っているのかな?」
「やけどなんかしないよ」って人は、うっかり者の私からしたらすごい人。何事にも慎重で、確実に仕事をこなせる能力、運動神経もよさそう、すごい~! と思います。
でも、もし私が「やけどなんかしないよ」って側の人間で、そのヒリヒリを知らなかったら、「ちゃんと注意しないからいけないんだよ~」と悪気なく言ってしまうかもしれません。
よくよく考えてみると、うつ病の人にとってそれはすごく残酷。
A:(全部私が悪いんだ……)
B:「もうちょっと気をつけなきゃダメだよ」
A:「あぁ! やっぱり私は愚かで価値のない人間なんだ! それが今証明された!」
Bさんに責めるつもりはなくても、神経が過敏になっているAさんにとってその言葉はとどめの一撃。自己否定が100%の確信に変わります。
AさんもBさんも悪くないのに……。これの感じ、すごくやりきれなくて切なくなってしまいます。
さらに、Bさんの性格によって、言葉の切れ味も攻撃レベルも変わってきます。
相手の痛みを想像して優しくできたら、それが一番。
でも、その痛みの経験がない人や、失敗しないのが当たり前の人にとっては想像しにくい。だって、わかんないんだもん。
そうやって相手を傷つけたことを正当化することはできないし、悪気がなけりゃいいってわけでもありません。
だからといって、「相手の気持ちを思いやれないのが悪い」「想像力が足りないのが悪い」とその人を責めても仕方ない。
そうなると、
「誰も悪くないんだよ」
「完璧な人なんていないんだから」
という話になるのでしょうか。そうやって広い心で受け止めろって言うのもまたハードルが高いですよね。
ここは時間をかけて、お互いが歩み寄っていくしかないですかね……。うーん、難しいところです。
「おまえが悪い!」という声をいさめる3つのおまじない
あなたを非難する声(自分自身の声・他人の声)は気にしなくていいよ、と言われても簡単にやめられるものではありません。
そこで、とりあえずの対処策として、おまじないを唱えるのはどうでしょう?
①「自分を責めちゃうのは、うつ病の症状だよ」
②「あの人はうつのつらさを知らないだけよ」
③「痛みがひどくならないように、正しく手当をしようね」
いろいろなことを優しく教えてくれる先生の姿をイメージして、この言葉を唱えてみます。自分もあの人も幼稚園のお友だち。みんな、いろんなことをお勉強中。
そう思えば、失敗したり上手くいかないのも納得です。
これから少しずつできるようになればいい。
先生に教えてもらいながら。
◆
こうして、やけどをしてアンアン泣いていたナミちゃんは泣きやみましたとさ。
おしまい。
<参考書籍>
昼夜逆転と引きこもりに悩む女性です
目下、社会復帰を目指して就活中ですが、生活リズムが整わないことから、お勤めに行く自信はゼロ!
そんな自分をダメダメと思いながらも好きな人がいます…その人のためにも早寝早起き元気な私!に戻りたい!
好きな人にうつなこと知らせずに済めばいいなぁ…