ダ・ヴィンチの連載で読んで、めっちゃおもろ~もっと読みたい~となったマンガです。
読み始めたら止まらない。面白い。みんないいキャラ。中でもイヌくんへの共感が圧倒的。
ほんとめちゃくちゃわかる~ってなるんですよね~~~。
ささいなことでネガティブスイッチが入ってしまうところとか、いつまでもグジグジ考え続けてしまうところとか、忘れたい過去の記憶がよみがえってうわーっと頭を抱えるところとか、相手の気持ちを悪いほう悪いほうに想像して勝手に落ち込んでいるところとか、「お前は俺か!」と泣き笑い。
他のキャラクターもみんないい。全然違うタイプの人たちが一緒に働いていて、彼らが関わることにより生じるいろいろな感情が味わい深い。こういう日常の何気ない一コマに尊さを感じてうわーーーっとなることがありますね。さざなみのような小さな変化から生じる感情の連鎖といったらいいのでしょうか。
で、このマンガを読みながら思ったのは、認知行動療法っぽさがあるなということ。
たとえば、イヌくんのネガティブ思考と、それを裏切る後輩のネコくんの言動なんかはとてもわかりやすい。
イヌくんはすぐ悪いほうに考えてしまうけれど、実際にその予想は外れていることが多いんですよね。
ネコくんを見ていると、それがよくわかります。ネコくんの言動はフラットで、あっけらかんとしている。悲観的なイヌくんからすれば想定外。そして、そのカラッとしたふるまいが、イヌくんのジメジメ思考を中和してくれる。訂正するのではなく、気づかせてくれる。開けた心というものは気持ちがいいものです。
イヌくんとネコくん以外のメンバーも、同じような感じで、「○○って思ってたけど、実際はそんなことなかったんだ!」と示されてオチる話がけっこうあります。
ああ、これは笑いとともに、気づきを得られるマンガということでしょうか。自分のことに引きつけて考えると、無用な悲観的思考を和らげられそうです。
予想は外れるものです。人の気持はわからない。私は預言者じゃないのだから。
まーそれにしてもイヌくんを見ていると「そんな気にしなくていいのに~」と思うけど、いざ自分がそうなったらクヨクヨ考えちゃうよな……というこの状況をそのままマンガにしてたりしてるから「わかるッ」ギュンッてなりますね。電子書籍発売のお知らせツイートもまさにそんな感じで。
働く!くよくよ犬が電子書籍で発売しました!
配信先は、リプ欄にて… pic.twitter.com/ky6LOib2fv— ろふ@電子書籍発売しました (@rofu1022) November 8, 2023
どのキャラクターも楽しくて愛おしいけど、やっぱりイヌくんとネコくん、この二人の関係性がとっても素敵で癒やされます。ネコくんはクヨクヨしちゃうイヌくんのことをよくわかっていて、さらっと嫌味なくフォローを入れられるできた人(猫)なのですよね~。
みんなそれぞれに長所と短所があって、長所は短所になりうるし、また逆もしかりだなぁ~といったことをしみじみと思いました。
描きおろしのイヌくんとネコくんの話がこれまたすごくよくて、各キャラクタープロフィールも楽しく、作者ろふさんのあとがきもよかったです。元気をもらいました。