「あなたの言っていることはおかしい! 意味がわからない!」
家族や友達にそう言われたら、あなたはどんな言葉を返しますか?
否定的な態度を取られて、冷静に返答するのはなかなか難しいですよね。
先日そのような場面に遭遇した私は「あなたの言っていることの方がおかしい、矛盾だらけだ」と言い返したくなりました。
しかし、感情的に応酬しては、関係が悪化するばかり。どうすれば、穏便に事をおさめられるのでしょうか?
今日は、自分が変に我慢することなく、相手に本音を伝える方法について考えます。
「売り言葉に買い言葉で感情的になってしまうとき、どう対処したらいいの?」という自分へのアンサーです。
高ぶった感情を抑え、気持ちを上手に伝える3つのコツ
「売り言葉に買い言葉」で険悪になるのを防ぐには、
- 「そうだね」と相手の言い分を認める
- 「私は」+感情で語る
- 「嬉しい」「助かる」などのポジティブワードを使う
これを心がけるとよいです。
ここからは、本音をトゲトゲのウニに例えて話を進めていきます。
「そうだね」といったん受け止める
トゲトゲのウニを投げつけられたからといって、そのままトゲトゲのウニを投げ返してはいけません。流血戦になってしまいます。
まずは、落ち着きましょう。
相手がトゲトゲのウニを投げたという事実を受け止めましょう。
「あなたがトゲトゲのウニを投げたくなるのももっともだ」と相手の気持ちを汲みましょう。
相手の気持ちが一切わからなかったとしても「トゲトゲのウニを投げつけたくなるほど、相手にとっては大事なことなんだな」と理解しましょう。
よく見たら、トゲなんか一つもなく、自分の勘違い(被害妄想)だったということもよくあります。
「あなたの言うとおりだと思う」
「なるほど確かに」
「あなたはそう感じているんだね」
など、とにかく相手の言い分を認めましょう。口先だけでも構いません。
いったん受け入れることで、怒りの爆発を抑えることができます。
「私は」+感情で語る
相手の悪いところを指摘するのではなく、自分がどう感じたかを語る方が伝わりやすくなります。
「あのとき○○って言ったのに! 言ってることとやってることが違う!」
「私の気持ち何もわかってない!」
ではなく、
「○○してくれると(私は)助かる」
「◇◇ってことを理解してくれると(私は)嬉しいな」
といった具合に、「私は」+感情のテンプレに当てはめて伝えましょう。トゲトゲのウニが腕に当たって痛かったよと。
同時に、どうしてもらうと嬉しいか具体的に伝えられるとグッドです。
「嬉しい」「助かる」などのポジティブワードを使う
「怒られている」「命令されている」「否定されている」と感じると、攻撃的な言葉が出やすくなります。
それを防ぐために、「嬉しい」「助かる」などのポジティブワードを使うと、ギスギスした雰囲気が和らぎます。
トゲがある本音は加工してから差し出す
相手に一言モノ申したいときの本音はトゲトゲしていることが多いので、下処理してから相手に差し出しましょう。
その際、受け取りやすくラッピングできるとベストです。
トゲトゲのウニではなく、加工済みの雲丹(うに)ギフトを差し出せば、嫌がられはしないはず。少なくともケガをすることはありません。
どんなに正しい意見でも、トゲがある本音は相手を傷つけます。鋭い指摘ほど、グサッと刺さって痛いものです。
相手をやっつけたいのなら、思う存分トゲだらけの本音をぶつければいいけれど、関係を大切にしたいなら、そんな思いやりに欠けることをしてはいけません。親しき仲にも礼儀が必要です。
いくら相手のためになるからといって、痛みを与えていいわけではありません。例えば、手術で腫瘍を取り除くときには、体を傷つけますが、麻酔をかけて、痛みは最小限に抑えます。
コミュニケーションにおいても、そうやってできる限り配慮する、どうすれば不要な痛みを与えずにすむか考える、それが思いやりだと思います。
最後に
……と、ここまで書いたことをいつも自分に言い聞かせるのですが、実践になると難しいものですね。
冒頭でも書いたように、否定的な態度を取られた私は、相手をチクリと刺す言葉を探していました。自分の正しさを証明することに気を取られて、相手の気持ちを無視しようとしていました。
いったん深呼吸することで、その暴走は止められましたが、感情的に応酬しようとしている自分に気づいたとき、とても残念な気持ちになりました。
「売り言葉に買い言葉」で険悪になるのを防ぐには、
- 「そうだね」と相手の言い分を認める
- 「私は」+感情で語る
- 「嬉しい」「助かる」などのポジティブワードを使う
これを心がける必要があると痛感した次第です。
日頃から、相手を不快にさせないよう細心の注意を払っているつもりでも、自分の心が脅かされそうになったら、けっこう平気で相手が傷つくことをしているかもしれません。
自分を守ることに気を取られて、相手がどう感じているかスルーしているのではないか、自分が傷つくことには敏感なのに、相手を傷つけることには鈍感になっているんじゃないか、そんなことを感じさせられた出来事でした。
相手が何をどう感じているのか? それを考えるためには、心の余裕が必要ですね。これまた難しい問題です。