将来のことを考えると不安や焦りばかり。
病気の改善も感じられず、自分の人生は絶望的。
考え出すと、ネガティブさんが頭の中でぐるぐるぐるぐる……。
こんなとき、あなたはどんなふうに対処していますか?
今日は、その解決策の一つをご紹介したいと思います。
落ち込みという名の底なし沼から抜け出す方法
答えを教えてくれたのは、養老孟司さんでした。
『養老孟司・太田光 人生の疑問に答えます』より。
過度なダイエットで摂食障害を患った女性の質問に、養老氏は「体を使って働きなさい」と答えます。
特に私がなるほどと思ったのは、頭と体の関係性。
体というのは広い意味でいうと「自然」そのものなのです。ですから、人間が自然をどうにかしようとしてもままならないのと同じように、頭で考えているほど体は思うようにならない。つまり、人間の体は、脳がすべてをわかって設計して作った機械ではないんです。
(中略)
といっても頭も体の一部だと考えることは、なかなか難しいかもしれません。でも、そう考えているのも頭・脳なんですね。これを容易にするのは、やっぱりほかの生き物をよく見ること、自然と接することです。
「体を動かす」
「自然と接する」
よくある回答ではありますが、説得力があります。
頭と体をバランス良く使うために、一通り考えを巡らせたら、小休止。「頭」ばかりひいきしていては、きっと「体」が焼きもちを焼いちゃいます。
ぐるぐる思考をリセットするスイッチ
「体を使って働きなさい」という養老氏の回答を受けて、爆笑問題・太田光さんの言葉が続きます。
ちょっと長いですが、すごく共感する部分がありましたので引用します。
僕自身、ダイエットではないけれど高校時代に、こういう自分が許せない、自分のいやらしいところに気がついちゃったりした、いわば自我の目覚めみたいなことがあったんですよ。そして、いつも何か計算して人に受けるようなことを考えていることにハッと気づかされたんですね。
そのとき「うわ、オレ、いやらしいな」と思うんだけど、またそのいやらしいと思って悩んでいる自分が好きみたいな。これがどんどんエンドレスになってくるの。
それが続いていくと、そんな自分を好きだと思っている自分を逆に嫌だということになるわけ。またそれがどんどんドツボにはまっていくと、要するにしまいには自分が信用できなくなるんです。自分の本心はどこにあるのか、というのがわからなくなっちゃう。そうすると、何が起こるかというと、今まで自分が好きだったものに対して「ほんとにオレは好きだったのか」と、どんどん自分自身を失っていくわけ。これが堂々巡りになって、結果迷宮に入り込んでしまうわけですよ。
この感じ、めちゃめちゃわかります。「自分、めんどくせー」って思いながらも考えずにはいられないんですよね。まさに「迷宮」。
しかも、これを人に言うと面倒臭がられるから誰にも言わない。そうすると、一人でぐるぐる考え続けて、ますます抜け出せなくなります。
そんなとき、体を動かすことが「迷宮をリセットするスイッチ」になると。
……そのスイッチを押すのがおっくうだということは触れないでおきましょう。
まとめ
悲観的な考えばかりが浮かんで、どうしようもなくなってしまったときの対処法を簡単にまとめると、
① 考えるのをやめる。
② そのために体を動かす。
③ それでもダメなら寝る。
といったところでしょうか。
散歩やウォーキングは、簡単で、お金がかからない効果的な方法です。日常生活にも取り入れやすいですしね。
とは言え、うつ病は身体がダル重。気力もゼロ。薬の副作用の影響も大きい。
そんな中で、「体を動かせ!」というのは酷です。というか、うつ病になったときは休養が第一。無理は禁物です。
療養中は、楽しみながら体を動かせるかどうかがポイントとなってくると思います。「ちょっと何かやってみようかな」と思えるようになったら、お試しください。
まずは、「ぐるぐる」を「ぐるり」程度にすることから。
焦らず、自分のペースでいきましょう。
<本日の一冊>