体に痛みが生じるとつらいですよね。
「あー痛い」がベースにあって、何をやっても効果なし。嫌~な感じが残るだけ。あー痛い。もう無理。
でも、痛みがすーっと引いたとき、喜びに包まれます。
痛くない……
痛くない……!
痛くないって素晴らしい!
あぁ、世界はこんなにも美しかったのか……!
空よ、海よ、太陽よ、花よ、鳥よ、母なる大地よ、ありがとう、ありがとう……!!
と、ミュージカルばりに歌い踊りたくなるほどの喜び。
痛くないって素晴らしい。
ほんと、痛くないって素晴らしいですよ。
痛みとうまく付き合うための5ステップ
「痛くないって素晴らしいよね」ってのが今日言いたかったことなので、完全に言いたいことは言い切ったぞとほのかな達成感に包まれているわけですが、それでは内容がなさすぎるので、痛みを和らげるためにできることはないか考えてみます。
ありがたいことに、私は慢性的な痛みの症状はありません。ちょいちょい訪れる頭痛や腰痛など各所の痛みとは長年の付き合いですが、そこまで絶望的な状況ではありません。おそらく人並み程度の痛みなのだと思います。
とは言っても、ひどい痛みがやってくると、何も手につかなくなってしまうのが困った問題です。
少しでも、この困った状況を改善する方法はないでしょうか。
痛みと敵対することなく付き合うためにどうしたらいいか? 今のところの答えは、次の5つです。
1. 痛みのメカニズムを知る
2. 記録する
3. 考察する
4. 痛みに対処する
5. 予防する
一つずつ見ていきましょう。
1. 痛みのメカニズムを知る
まず知っておきたいことは、痛みや症状のメカニズム。痛みそのものを解消することはできなくても、体の状態を知ることで、何をすればいいか見えてきます。
私の場合は頭痛が多いので、頭痛を例に挙げて考えます。
まずは、頭痛がどんなものなのか一通り調べます。頭痛にもいろいろなタイプがあって、痛みの生じ方もさまざま。一般向けの本をざっと調べるだけでも、自分の痛みがどのタイプか知ることができます。タイプ別の対処法も紹介されています。
痛みがなくならなくても、「あー今自分はこんな状態なのね」と納得できると気持ちが違います。痛いけど、漠然と痛いよりは断然まし(だなんて痛いときには到底言えないけれど)。
問題を解決するためには、状況を把握することから。
どんな病気でも、まずは知ることが大事ですね。
2. 記録する
痛みとうまく付き合っていくために重要なのが記録です。
体の痛み、症状の変化をチェックします。
具体的には、次の部分に注目して記録していきます。
・痛みの大きさ
・持続時間
・痛みの場所
・痛みの種類(ズキズキ、ガンガン、刺すような痛みなど)
・日時
・天候
・体調(吐き気など)
・考えられる原因
・服薬
・食事
・痛みへの対処法
などなど、その日の生活リズムもあわせて書き出します。
以前は、うつ症状の記録がメインだったので、専用の記録用紙を作っていたのですが、最近は症状も落ち着いてきたので、スケジュール帳の日別欄にガガガっと書き込んでいます。頭痛だけでなく、気分の波や生理日や体調にかかわることで気になったことは何でも書きます。めちゃ汚いです。
本当はきちんと整理して書いた方が後で見やすいのですが、私は変なところで凝り性なので、テンプレ化するとキレイに書くことにこだわりすぎて、ちゃんと記録できなくなるという本末転倒になりがちなんですね。そういうわけで、ここしばらくはこの方法で運用しています。
日本頭痛学会のサイトに「頭痛ダイアリー」があります。この用紙も使いやすいと思います。頭痛以外の症状でも応用できそう。ダウンロードして使えます。
最近は、気圧の変化とあわせて体調を記録できるアプリもあって便利ですね。
私の場合、気圧の変化は痛みとはあまり関係がないようだったので今は使っていませんが、これらの条件がビンゴ!の人も結構多いようです。それぞれの特長に注目して、自分に合ったツールをうまく取り入れるといいですよね。続けられる方法を選ぶのが一番です。
頭痛だけでなく、どんな症状も記録することは役立ちます。うつ症状や睡眠も記録することでコンディションを把握しやすくなります。
・睡眠日誌のつけ方・適正な睡眠時間の見つけ方
・出口のない暗闇の中で「希望の光」を探すコツ ― 記録しよう!
3. 考察する
ある程度ログがたまると、自分の傾向がわかってきます。一定の周期が見えてくることもあります。効果のある対処法が見つかることもあるでしょう。
考察すると言うとちょっと大げさですが、記録をもとにこれらの傾向に注目します。そして、痛みが生じやすいタイミングや原因もあわせて探っていきます。
生体リズムには個人差があり、長い期間で見たときにはじめて気づく周期もあります。例えば、痛みとはちょっと違いますが、冬期うつ病のような季節によって生じる症状。こういった変化は短期間ではなかなか見えません。
私の頭痛についても同じで、定期的にやってくる痛みには波があります。年間通して見ると、痛みが集中する期間と頭痛の頻度が少なくなる期間があることに気づきます。生理周期とも連動しています。
一定期間、記録を積み重ねることで、こういった変化を把握できます。それらのデータを元に、痛みを和らげる対処を実行。
慣れてくると痛みを予測することもできるようになります。何となくでも予測が立てば、備えが可能。心の準備もそうだし、このあたりヤバそうだから休めるように調整しようというような対策ができます。
4. 痛みに対処する
手に入れた知識と観察記録をもとに、自分に合った対処法を実践します。
薬を飲んだり、ゆっくり休んだり。
痛みが和らぐ対処法は人それぞれ違うので、調べた知識を参考にしつつ、体がリラックスできる方法をいろいろと試しつつ。
心配な症状がある場合は、医師に相談しましょう。
5. 予防する
記録をつけて、自分の心身の変化を観察してみると、生活リズムの良し悪しが不調に大きな影響を与えていることに気づきます。
・睡眠時間
・食事
・疲れ
・ストレス
身近なところだとこのあたりでしょうか。不規則な生活やストレスによって生じる「自律神経の乱れ」から、体の器官に不調があらわれると説明されることもありますよね。
まずは、乱れた生活リズムを整えることが予防策として重要。と、不調に見舞われるたびに痛感するのですが、なかなか反省が活かされず困ったものです。
・規則正しい生活
・適度な運動
・栄養バランスのとれた食事
・十分な睡眠
・リラックスする時間
これらを大切にして、無理のない過ごし方をしましょう。というのが理想です。
先ほど少し書きましたが、記録した内容から、不調の波を予測して心の準備をしておくことも役立ちます(役立つというか、ダメージが少しは抑えられるというか)。
・調子が悪くなりそうな日に休めるよう調整する(少なくとも過密スケジュールにならないように)
・周りの人に自分が不調になりがちな条件を伝えておく(「来週あたり○○でヤバそうだからよろしく」など)
あとは、日頃から余裕を持って生活することでしょうか。リラックスタイムを設けるといいんでしょうね。
最後に
痛みとうまく付き合っていくための対策をまとめます。
1. 痛みのメカニズムを知る
2. 記録する
3. 考察する
4. 痛みに対処する
5. 予防する
大事なのは、心身の状態をよく観察し、分析すること。そして、正しい知識のもとで、少しでもラクに過ごせる方法を試してみること。
観察や分析と言うと肩に力が入ってしまいそうですが、こまめに記録するようにすれば、おのずと自分の傾向は見えてくるので、とりあえず気になった点を書きとめておきましょう。
痛みに個人差があるように、対処法や実践方法も人それぞれ自分に合ったやり方があると思います。いろいろと工夫しながら、体質に合ったリラックス方法を見つけていきたいですね。