3割主義のすすめ ~気楽にやってくウツ予防~

いちご狩りをする女の子

「今日も頑張れなかった」
「私は本当にダメな奴だ」

そんな評価を下していませんか?

調子がすぐれず、思うようにできないときってありますよね。

やろうと思っていたことが全部終わらなかった。結局グダグダして一日が終わってしまった。あぁ、もう、はぁ……。

と、ガックリ肩を落としてしまうような日。

そんなとき、こう言われたらどうでしょうか。

「3割できたらそれで十分」

何だか気がラクになりませんか?

もちろんそんな言い分が通用しないシチュエーションはいくらでもあります。

でも、完璧を求めがちな人ほど、このことは意識しておきたいところ。

「3割できたらそれで十分」と思えば、できなかったことを必要以上に責めずにすみます。

さらに、「3割」の力加減を意識していると、無理なくできる「自分のペース」がわかるようになってきます。

「うまくできない」と辞めてしまえばそれまでですが、細く長く続けることで得られるものはたくさんある!

そんな話を今日はします。ある日受け取った東大教授のメッセージです。

なまけ者の戦略「3割主義」

そのメッセージは『東大教授が教える独学勉強法』という本にありました。目標の立て方・管理の仕方を紹介したパートです。

最初の見出しはこうです。(p.91)

目標達成は3割でよしとする

3割でOKというのはかなりハードルが低いですよね。

10個のうち3個できたらOK。
1時間のうち18分できたらOK。
1週間のうち2日できたらOK。

言い方を変えると、

10個のうち7個はできなくてOK。
1時間のうち42分は遊んでてOK。
1週間のうち5日は休んでOK。

うん、これなら頑張れそうな気がします。

著者の柳川範之氏は「私はだいぶなまけ者」と書いています。だから、

「立てた目標は10割達成しなくてはいけない」と頑張っていたら、途中で煮詰まっていたに違いありません。

確かにそういうことってありますよね。

「10割達成しなくてはいけない」という思いが強いために、すぐ「ダメだ~」と落ち込んでしまう。

心当たりありませんか? 私はめちゃくちゃあります。「さすがに10割達成とまでは思ってないよ~」と言いつつも、実際のところ自分が求める理想はかなり高かったりするんですよね。で、高い理想を求めるから挫折しやすくなるパターン。

だから、そうならないために「3割主義がいいんですよ」と。

でも、同時にこうも思います。

「3割って言うけどさ、東大教授の3割は凡人の3割とは違う。私がめちゃくちゃ頑張って出した100%の成果をもってしても全然及ばないんだろうよ」

でも、そんなことは関係ないんですよね。すごい人と比べれば、劣ってしまうのは当然で。

大事なのは、自分がどれだけできたか。

できないことを少しずつできるようにする。

その目的を達成するために、他人と比較する必要はありません。

東大教授のペースと比べたら、笑っちゃうほど要領が悪くて遅いかもしれないけれど、練習を続けてさえいれば、必ず成長はあるはずです。

と、わかっているつもりでも、すぐに忘れて「ダメだ~、できない~」とガッカリしてしまうのですが。

それに、場合によっては怒られてしまうこともありますしね。難しいところです。

焦らず、気長にやっていきましょう

「目標達成は3割でよしとする」

このことは、うつ療養中にも心がけたいですね。

自宅療養中だけでなく、リハビリ、社会復帰のステップでも大事にしたいことです。

思うようにできない現状をもどかしく感じていると、「自分が掲げている目標なんかすっごく低いのに、それで3割主義やったらもうゼロに等しいじゃん」と言いたくなることもあります。

でも、0と1じゃ大違い。

すると今度は「何もできないゼロの私は終わってますね、はいダメですね」と言いたくなります。

でも、本当に何一つできていないのでしょうか。

もしうつ病で療養中なら、休養が大切なので、何もできない「成果ゼロ」でも問題ありません。むしろ体を休ませられたのだから「よい過ごし方ができた」と言えるでしょう。

といった具合に、いくらでも「よかったこと」を探すことはできます。そのあたりの話は「ダメな自分にウンザリ?あなたの心をほぐす言葉【自己肯定のコツ】」で書いたとおりです。

以前「60%できたら合格」と考えて気楽にいこう、という話を書きましたが、自分の性格や状況に応じて、数値を選べば良いのだと思います。

割合 300ml グラス
80%
240ml
水80%
70%
210ml
水70%
60%
180ml
水60%
50%
150ml
水50%
30%
90ml
300mlのグラスに90mlの水

頑張りたい気持ちがあるときは「60%できたら素晴らしい」。もう無理しんどい頑張れないというときは「3割主義」といった具合に。

「よし、これならできそうだな」

そう思えるハードルを設定して、無理のない範囲でやっていきましょう。

焦らず、気長にやっていくことは、うつ予防にも効果的だと思います。

 

<本日の一冊>
柳川範之 (2014)『東大教授が教える独学勉強法』草思社

1 COMMENT

へルマンブール

こんばんはー❗
いつも拝読させていただいています。
私はどうしても3割しか出来ないのならば、人の3倍やらなければと考えてしまいます✨
3倍やって一人前なのだから…..
もっと頑張れとプレッシャー掛け続けています。
全く困った困った

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