私いていいのかなと思わせてくれる言葉

赤いハイビスカス

がんばっても報われないひと

がんばろうにもがんばれないひと

がんばりすぎて心と体をこわしたひと

がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひと

2019年、東大入学式の祝辞より。

平成31年度東京大学学部入学式 祝辞 | 東京大学

ネットで話題になっていたので、全文読みました(あわせて平成30年度のロバートキャンベルさんによる祝辞も読みました。すごくよかったです。何度でも読み返したい)。

東大新入生に向けて語られた上野千鶴子さんの力強い言葉たち。生で聞いたら相当胸にせまっただろうなーと思いました。

同時に、自分が大学生のときにこのメッセージを受け取っていたらどうだっただろう? と考えたのですが、自分が東大生だったらという仮定がありえなさすぎて、答えを出す前にふがふがして終わりました。

で、今こうして引用箇所を打ちこんでいたら、部屋の隅に置いてあったハイビスカスの花がドサッと落ちました。なんかよくわからないですけど、すごい笑ってしまいました。音といいタイミングといい何とも絶妙で。

このハイビスカス、いただきものなんですけど(正確には押しつけられた)、季節感ゼロなんですよね。夏には全然咲かずに、11月12月の寒くなった頃に咲き出して。

暑すぎるとダメなんだなってのはわかるんですけど、なんかおかしい。イメージと違う。鮮やかな赤い花びらをぶわぁっと広げてとっても華やかなのですが、どこか間が抜けているというか……。この花をくれた人もめちゃくちゃな人なので、「なるほどね」と苦笑するなど。

話が脱線しました。

んでまー、がんばってがんばって死ぬほど努力して勝ち得た東大入学、その晴れの日に「頑張ったら報われると思えることは、恵まれた環境のおかげでもあるんだぞ、忘れるなよ」と言われたら微妙な気持ちになったりムカついたりしちゃう学生もいるんじゃないかと思うんですけど、いやーでもそんなふうに思うのは私だからであって、成功者である東大生はやはり違うんだろうかと再びふがふがするのですね。

それでもやっぱり、ふがふがしながらも、男子学生的にはどうなんだろう、「女性ばかりじゃない俺だって生きづらさを抱えてるんだ」と感じているひともいるかもしれないとか、なんかこのあたりは話が複雑というか、いろいろな立場から考えなくちゃならなくて難しい。

ので、そのあたりはちょっと置かせてもらうとして、「生きづらさを感じているひと」という大きなくくりで捉えてみると、がんばっても報われないひとがいるんだよってことをこういう場所で言ってもらえることは、素直にうれしく感じました。

どんなにがんばってもうまくいかなくて、もがきながら生きている。痛みに耐えて生きている。隠れるようにして生きている。

そういうひとがいると言ってくれるだけで、存在を認められたような気がしてうれしい。うれしいというか、後ろめたさのようなものが少し和らぐ。そんな気がします。

あなたたちのがんばりを、恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを助けるために使ってくださいって、泣けちゃうような。自分が勝ち抜くためだけではなく、貶めるためにではなく。そういう優しい世界が実現できたらいいよねぇ~としみじみ。差別なくなれ~。強者の論理に負けないぞ~。

花びらが開ききる前にボトッと落ちたハイビスカスのつぼみ。

その一方で、パカーッと花びらを広げ、華々しく咲き誇るハイビスカスの花。

これは一体なんの比喩となるでしょうね。

上野千鶴子さんの髪の色もこんな赤色だったよなぁと思いながら、しばらく眺めておりました。

2 COMMENTS

あたま

更新ありがとうございます。
前もコメントに書いたのですが、新宿タイガーさんを見るとなんか吹っ切れます

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みっちぃ

「がんばりすぎて心と体をこわしたひと」 それは私
もう、がんばる事をやめました

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