「飄々」とは何か? ― 答えは、風と漢字の中に

前回の投稿をした直後に大発見をしたので、共有してもいいですか。

何に気づいたのかというと、「飄」という漢字についてです。

飄々(ひょうひょう)の「飄」の右側には「風」がある。

そして、前々回の記事タイトルにつけたのは「ゆるさは風の中に?」だったってコト!

……と改めて書いてみると、あれ、別に大した事ないなって気もするのですが、気づいたときは驚いたんですよね、まったく意図していなかったから。

当初はただ、「ボブ・ディランの『風に吹かれて』を意識してみました……ふふ」ぐらいにしか考えていなかったのですよ。

だから、自分としては「エウレカ!」で、そういうのはかなり久しぶりだったので、とても嬉しく、やったー!となりましたというお話。

いやー、ボブ・ディランの歌詞がすごいなってことはずっと思っていましたけれども、そのすごさを改めて思い知ったというか、漢字ってすごい!と改めて思い知ったというか。

気づかなかったことに気づく、知らなかったことを知るっていうのは、本当に気持ちのいいことなのですよね。

 

せっかくなので、ついでに「ゆるさ」の漢字についても見てみました。そうしましたら、これまた納得。

【緩】
音符の「爰(えん)」は「寛」に通じ、ゆるやかの意味。糸をゆるめるの意味を表す。
(『漢語林』第二版より)

糸をゆるめる。まさにここで書いたイメージに合致。
 

さらに、「飄」も調べてみると……

【飄】の字義
① つむじかぜ。旋風。
② 方向の一定しない風。
③ はやて。疾風。
④ 風が吹く、また、風が吹くさま
⑤ ひるがえる。また、ひるがえす
⑥ ただよう。さまよう。=漂
⑦ おちる(落)
⑧ はやい。また、はやくする。
(『漢語林』第二版より)

あれ? ソフトなイメージと、ハードなイメージがある?

ゆらめくイメージばかりではなく、さまざまなに表情を変える様を表している?

ということは、「飄々とした人」は、どこか定まらず、掴みどころがないように見えるけれども、時に疾風のように素早く、つむじかぜを巻き起こす可能性もある、と捉えることもできる?

それはつまり、表面的にはつかみどころがないが、いざというときには、風を巻き起こすような瞬発力や決断力を見せる可能性があるってことじゃ?

え、これってここに書いた内容じゃないですか? ギャップ萌え的要素も?

えあー、めちゃくちゃカッコいいじゃん、「飄々とした人」は100%褒め言葉にならないと前回書いたけど、ここまでの字義を踏まえたら、ものすごい褒め言葉じゃんかよ、だって旋風で疾風で、飄が二つで飄飄よ? つむじかぜ×2よ? と興奮です。

いや、でも、飄々の場合は、あくまでも「漂」のイメージなんですよね。ただよっている……。

風に吹かれてひるがえり、さまよい、行先が定まらない。

転じて「世間ばなれしていて、つかまえどころのないさま。」

うーーーん、そうか……。

二つのつむじかぜをぶつけると、それぞれの勢いが相殺されて、ホワホワ~となる。ということなのでしょうか。

あるいは、「飄(つむじかぜ)+漂う」ってこと?

風がぶつかり、勢いを失って、くるくる~ホワホワ~と空に広がる。それは強さでも弱さでもない。ただ「在る」ってことなのさ、的な? それこそが風の姿?

答えは風の中に? 風に吹かれちまっている?

結局ボブ・ディランか。

漢字ってすごいな……。

これからしばらく漢字辞典を眺めるのにハマりそうです。

 

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