「調子が乗る」と「調子に乗る」の違いってなんだと思いますか。
「調子が乗る」は、作業効率が上がる、「波に乗る」「ノリノリ」と表現されるような状態。「調子に乗る」は、「おまえ最近調子乗ってんだろ?」と脅す行為をまず思い出します。「大人しくしとけこのボケカスが」的な押さえつけだったり、相手をディスるための言葉。要するに「気に食わん」ということです。
でも思ったんですよね、「調子が乗る」がいいことなのだとしたら、「調子に乗る」のもいいことなのでは? と。
なぜ「調子に乗る」は批判として使われるのでしょうか。
「出る杭は打たれる」的なことですかね? たとえば、仕事や勉強でうまくいっている人に対して、「あいつ、最近調子に乗ってるよな」と陰口を叩く。ここには、成果を上げている人を引きずり下ろすような感覚がありそうです。
あるいは、冒頭で書いたように、単に気に入らないから「調子に乗ってる」という言葉で相手を非難する。すなわち「私より目立つな」「活躍するな」「気に食わない」。でもこれをそのまま言うのはカッコ悪いから、「調子に乗ってる」と言い換えている?
でも、中には批判されても仕方ないと感じる人もいます。成功したからといって態度が横柄になったり、周囲への配慮が欠けていたりするような人です。こういう人を形容するなら、「増長してつけあがる」とか「思い上がる」あたりの言葉が当てはまりそうです。
で、なぜこんな質問が出てきたのかということなのですが、えーと、なんでだっけ。
10代の頃、先輩に「調子に乗ってる」としょっちゅう圧をかけられたな~とは事あるごとに思い出しますが、それが直接というわけではありません。あるいは、私は双極症なので「調子に乗りすぎると危ない」という意識が常にあります。でも、それも直接というわけではない。
ただまあ、「なんか気になるワード」ではあることは間違いなのですよね。気になるというか、完全無視はできない。「調子に乗りすぎると危ない」「調子に乗ると怒られる」は学びとしてピン留めされている感覚があるのです。
それで、ぼんやり考えていました。
「調子が」と「調子に」は、能動か受動かの違いかな? 「調子が乗る」は自家発電の結果っぽいけど、「調子に乗る」は波乗りのイメージ。地に足をつけ、自力でふんぬーと踏ん張る感じがない。それが「気に食わん」につながる?
と言った具合に。
でも改めて考えてみると、「調子に乗る」も「調子が乗る」と同じような意味で使われることもあるし、なんかむずい……と行き詰まりました。
言葉の意味は絶対的ではなく、文脈による。
そんな当たり前の答えに行きつた今です。
「調子が乗る」と「調子に乗る」の違いは何か、この問いに答えられたら、ほどよい感じで「調子が乗る」をやっていけるかも?と思い、取り上げてみたのですが、調子に乗るどころか、暗礁に乗り上げてしまいました。