楽しくて素敵な本を読んだので感想を書きます。
ちょっと変わった論文を集めて紹介する本書。珍論文ハンターを自称する著者がさまざまな論文をわかりやすく噛み砕きながら(時にツッコミをいれながら)解説してくれます。
著者のサンキュータツオさんの肩書は「お笑い芸人」でいいんですかね、日本語学者や大学教員と紹介されていることもあるみたいですが……まあ言葉のプロとまとめることができるでしょうか。
読了直後の感想としては、ただただ感服。ロマンを感じます。「人生をかけた研究」的なパートは心震えます。
全体とおして「そうなのか、知らなかった!」「すごい!」「おもしれー!」がいっぱいです。興奮が高まって、いろいろな論文を読みたくなってくるから不思議。問いの立て方のヒントもつまっていて、学問の面白さを伝えてくれます。
タツオさん曰く、現象は「ボケ」、科学は「ツッコミ」ですって。なにそれ、めっちゃ楽しい。
論文紹介にとどまらず、論文を書いた先生に直接コンタクトをとってお話を聞くなど、訪問記も含め胸アツです。
そして最後に研究成果パクられの話も。無断転載については私も思うところありです……パクリはまじでムカつきますからね。いや、本来論文の引用は問題ないはずですけど、ここで出てきた話は、写真とか苦労して集めた資料を無断で大量に使いまくって挙げ句自分の手柄みたいにしてる人がいたよってことらしく、これはもう、私だったら奇声を発しそうだ。だって、昔ブログをまるっとパクられたとき怒り心頭怒髪天衝く大爆発になりましたもん。パクリはダメです。リスペクトがないのもダメです。
そんなこんなで、アカデミックな事柄にふれる中で、こんなにも心が揺さぶられるとは思いませんでした。そして、なぜだかよくわからないけれど、生きる力が湧いてきました。
それもこれも、タツオさんの紹介の仕方がうまいからだよな~と感心しきりです。
いや、もちろん論文も、その研究論文を書いた先生方もすごいんです。ただ、専門用語やデータが並ぶとひるんじゃうじゃないですか、ハードルが高く感じてしまって。そこをうまく乗り越えさせてくれるのが著者であるタツオさんの存在。ああ、ありがたし。素敵な媒介者に感謝。
本当は続編『もっとヘンな論文』を読んでからまとめて感想を書こうと思ったのですが、このホットな気持ちは今つづるべきだと感じ、とりあえず出力しました。
読んでよかった、面白かったです!
イラストがまたとてもいいんですよね、装丁も込みで素敵です。思わず微笑んでしまうものもありました。
続編はこれから読みます(わくわく)。