フリマアプリ(主にメルカリ)でバンドTシャツを眺めるのが好きです。
コラボ商品もいいけれど、公式のオリジナルグッズがよりグッド。「来日」「ツアー」「フェス」などの単語を入れるとオフィシャルなアイテムが見つかります。ファンだった人が出品している場合、短いコメントにも思い出が滲んでいるように感じることがあり趣深い。着古された状態にも味わいがあります。
出品されているバンドTシャツはヘヴィメタ系がけっこう多いなぁという印象です。私はヘヴィメタルをあまり聴きませんが、Tシャツは見ていて面白い。独特のフォントとか髑髏とか、地獄絵図みたいなカオスな絵柄もけっこう好きだったりして。尖っていたりドロドロしていたり燃え上がっていたり、それぞれに良さがあります。海外アーティストが来日ツアー用に作った、ひらがなカタカナ漢字入りの和モチーフを取り入れたアイテムで、カッコ良さより珍妙さが際立っている様子もまた趣深く愉快です。
それとは別に、ふざけた感じのゆるいデザインも好きです。こういうのを採用するバンドはどんなバンドかなと思って聴いてみたら、音楽は全然ゆるくなくてめっちゃいいじゃんみたいなことがよくあります。
そんなこんなで、「おっ」と思うTシャツを見つけたらSpotifyで聴く、というのをやっているのですが、そのルートで出会った良きアーティストがいくつか。「これまでにない出会い方じゃないか!」と小さく感激、ほくそ笑んでいます。
形から入るのって音楽を楽しむ行為としては浅く薄っぺらな気もしますけれど、膨大な音楽の中からどうやって出会うか、そのきっかけはこういう何気ないものがよかったりするのかもと感じているところです。
おそらく、ライブに行って目当てのバンド以外に好みのバンドがいた! という出会い方は、私の人生においてはもうないんだろうなと思います。こんなご時世ゆえにライブができないということもあるし、単純に、私にはもうライブに行く気力も体力もない。
年齢を重ねるにつれ、同じ音楽ばかり聴いてしまうのも、活力の低下ってことなんでしょうかね。新たな刺激がいっぱいだと疲れちゃう。頭も固くなって知らないものに抵抗を感じてしまうのか……。だから、慣れたものをくり返し聞く。自分が好きなものの傾向もある程度わかってきているし、わざわざ新しいものを取り入れなくなっちゃうんですよね。
でも、それじゃ面白くない。せっかく音楽が気軽に聴ける世の中なんだし、新たな刺激を取り入れてみようじゃないかと思う気持ちもあるわけです。素晴らしい作品を知らずにいるのはもったいない。
音楽配信のリコメンドの精度には満足しつつも、常に「あなたこういうの好きだと思いますよ」の感じでチョイスされるし、何か味気ない。新鮮みも感じなくなります。
そこで、まったく違う鉱脈が役立つという話になるのです。
何かの拍子に、いい感じっぽいものに出会う。その喜びを楽しんでいけたらいいな。
そういう宝探しにワクワクする心を忘れないでいたいものです。
パロディTシャツ 好きかな。 オーバーイーツ(ウーバーイーツ)のパロディには、笑った。食べ過ぎ。