「なんか思うようにいかない。ダメだ。どうしてなんだ……」
「それはね、『安定優先モード』になっているからだよ」
そんなふうにラベリングすることで、「なるほど、だから今こういう感じなんだな」と納得できる。
という話を前回書こうと思っていたはずなのに、書き終えた文章を読み返したら、「安定優先モード」一言も書いてない! 自分的重要ワードだったのに。我ながらびっくり。
というわけで、改めて「安定優先モード」について書きます。
名前をつけることで状態を把握しやすくなる。その際、私にとってキーワードとなったのが「安定優先モード」。
「安定優先モード」とは、感情の波を抑えめにすることで、メンタルが不安定になるのを防ごうとしているよ、という状態。
適当な思いつきではあったのですけれど、脳の機能や心理的な反応として説明することもできるっぽいと知り、さらに、名前をつけることで、漠然とした不安に輪郭が与えられ、気持ちも少し落ち着きました。
やっぱり言葉の力って大きいんだなぁ~。というのが前回の話。
わかりやすくコンパクトに説明するワードを見つける(ラベリングする)ことで状態を把握しやすくなるという話は少し前にも書きました。
さらに、イメージの力も借りながら。
ここでも挙げているのですが、みうらじゅんさんのネーミングセンスはすごい。「ブーム」「プレイ」という言葉をつけて面白がろうというのは幅広く使えます。
私の場合は「〇〇モード」という言葉を使うことが多いのですが、「〇〇ブーム」「〇〇プレイ」のような遊び心があるよ尚よしなんだよな~と思って、気になる言葉に出会うたびメモしています。まだしっくりくる言葉は見つかっていないのですけれど、言葉を観察するのは面白いので、趣味の一つになりつつあります。
名付けに関連して、最近とても面白い本を読みました。『ぐっとくる題名』という本です。著者はブルボン小林さん(長嶋有さんの別名義)。
タイトルは作品の顔ともいえる重要なもの。そのことを痛感させられる内容です。
そして、挙げられている例がどれも超納得で面白いんですよね。的確な解説に唸ります。言葉で説明するとこうなるのか……確かに……言われてみるとそう認識してるわ……すごい……!てな具合に興奮。
「これじゃだめなんだよ」という反例もいくつか挙げられているのですが、それがどれも笑っちゃう。温度差とか。自分の勘違いに気づいたり、他の人の解釈違いに笑ったり。
とにかく言葉一つ一つへの感度がすごい。やっぱり言葉のプロはすごいですね(ってさっきから「すごい」ばっかりだな)。
こういう技を駆使しながら、自分の状態を説明するワードを見つけていけたらいいなァ……。
まあでも考えてみると、必ずしも粋な言い回しである必要はないんですよね。「安定優先モード」がそうであるように、大事なのは自分が納得できること。
人間を車やパソコンにたとえるのは、わかりやすくてけっこういい感じなので、そっち方面でまた探してみようかなと思います。