ティーンの恋、引力と自己拡張

恋、してますか?

なぜ唐突にそんなことを言い出したかというと、最近読んだ青春マンガの登場人物たちが皆すてきな恋をしていたからです。

ティーンの学校生活を描いたマンガの面白さって何でしょう。

引き合って、影響し合って、自己拡張するプロセスを見せてくれるところが魅力なのかなーと考えていたところなのですけれど。

「結果」ではなく、「どんなふうに変化していくのか」。その見せ方が巧みだとハマっちゃいますよね。共感するにしろ、傍観するにしろ、面白いなーと感心します。

 

恋とは何か。

引き合う力が生じる。影響し合う。自己拡張しようとする力が働く。

先ほどそう書きました。

引力は、磁石のように引き合うイメージです。恋愛体質と言われる人は超強力磁石。反対に、磁力が弱い人もいる。

影響し合うのは、浸透のイメージ。つまり液体や気体ってことか。人体の大部分は液体だし、心も個体ではないからそんなにおかしくもないかな。あるいは振幅とかでもいいかも。共鳴するとうんたらかんたらみたいな。

自己拡張は成長とも言い換えられるけれど、拡張のほうがしっくりきます。成長はルートが決まっている感じだけど、拡張はもっと自由で、ゴールも定まらない。発展でもいいかもしれないけど、ここでは物理的なイメージで捉えたいので、拡張にしておきます。

自己拡張しようとする力も、個人差があるのでしょう。そしてその力は、成長期である10代で一番みなぎるんじゃないか。拡張しようとしているその本体も柔らかで、どんな形にもできる。年を取ると、その柔らかさが失われて固まってくるんですかね。

 

橋本治さんが「友情は恋愛の一種」みたいなことを『ぼくらのSEX』で書いていて、これはとてもよくわかるなと思って印象に残っています。

互いに引き合い、影響し合って、自己に変革が起きる。変革っていうと大げさだけど、何らかの変化が生じる。これは確かに恋愛にもあるし、友情にもある。

恋愛と友情には線引ができない。一線を引けるのは性愛とその他。性愛と友情(友愛)は恋愛の一部。そう理解しました。

で、友情も恋愛感情の一種なら、学校生活って自己拡張が促進される場と言えますよね。恋愛をしていなくても、外部からの刺激がたくさんあるから、変革は起こりやすいだろうし。そういう変化がそこかしこで起こる場所。そりゃそんな場所にカメラを向けたら面白いドラマがあるに決まってる。

私にとって青春マンガの面白さとは、引き合って、影響し合って、自己拡張するプロセスをどんなふうに描き出しているかで決まるのかなーと思いました。

自己拡張が起こらない場合もそれはそれで面白いけど、最近読んだマンガはどれも自己拡張しようとする力が発生しまくってて「がんばれー」と全力で応援したくなったので、その感情について考えていたら、上記のような話になりました。

 

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