「抑うつリアリズム」と「自己予想の歪み」について最近考えていました。
どちらも、自分の考えや予想が現実とは違って見えてしまう状態について言及したものです。平たく言うと、「人って物事を自分の都合のいいように捉えちゃうよね」といったところでしょうか。多かれ少なかれ、誰にでもそういうところはありますよね。
「抑うつリアリズム」とは何か。抑うつの人はそうでない人よりも現実的な推論を行うという仮説だそうです(Wikipediaより)。すなわち、健康な人は楽観的に世界を歪めて見ているが、抑うつの人こそ自分や社会をありのままに捉えてるんだぜ、という考え。
これって自分が優れていると思いたがる系の話にも聞こえます。悲観主義や反出生主義と相性がよさそうな話です。私自身も親和性があると思います。「俺にはわかっちゃってるんだよね」という感じですね、あるある。だからそういう自分を必死に諌めてる。
一方、自己予想の歪みは、ネガティブな予想は外れることがあるよ、という指摘。認知行動療法の本に書いてあるやつです。「うまくいかないに決まっている」とネガティブに捉えてしまうゆえに、チャンスを逃している。そんな側面があります。心当たりがあります。
抑うつ症状のある人は、自己予想の歪みを持ちやすい。これは実感としてそうだと思います。自分自身に対する期待や予想が現実と合わないと、自己肯定感や自己効力感が低下し、抑うつ症状を引き起こします? そうです、その通りです、自分を信用できません。
だから、認知のゆがみパターンを定期的に確認する必要があるよねという話。過剰にならないように気をつけましょうということで、8匹のユガミンを眺めていたのです。
(こころの健康副読本編集委員会 「悩みは、がまんするしかないのかな?」 p.6)
【ジーブン】個人化、自己関連づけが得意なユガミン
【シロクロン】白黒思考、全か無思考が得意なユガミン
【ベッキー】すべき思考が得意なユガミン
【ラベラー】レッテル貼りが得意なユガミン
【ジャンパー】論理の飛躍、根拠のない決めつけが得意なユガミン
【フィルタン】心のフィルター、部分的焦点づけが得意なユガミン
【パンカー】極端な一般化が得意なユガミン
【マグミニ】拡大解釈と過小評価が得意なユガミン(magnification & minimization)
あなたが仲良しのユガミンは?『マイナス思考と上手につきあう認知療法トレーニング・ブック』
自分が物事をどう捉えているか知ることは、自身を理解するのに役立ちます。より良い方向に進むためには、客観的に捉えることも必要でしょう。
物事を客観的に捉えるためにはどうすればいいのでしょうか。
答えとして挙げられそうなのは、
- 事実を把握する
- 情報が正しいか確認する
- 物事にはいくつもの側面があると理解しておく
- 自分の経験や価値観で判断しない
- 感情的にならないよう気をつける
Wikipediaの情報は間違っていることがけっこうあるので、参照元としてはあまりよろしくありません。リサーチの取っかかりとして使うにはいいと思うんですけどね(とか言いながらめちゃめちゃWikipediaを参考にしている人こと私)。
まあ、頭もぼんやりもんやりしているし、曇りなき眼で物事を見定めるのは難しいのですが、「自分は偏っている」「できるだけ偏らないように気をつけよう」と常に心に留めておくことが第一かなと思ってやっております。