恐怖、自己不信、疲労感に苛まれないために

洞窟内に射す光と女性
あなたは今、達成したいと思っていることはありますか?

それを達成するために必要なことは何だと思いますか?

ある人は、以下の3つを示しました。

何かを達成するために把握すべきこと

  • 自分がこれまでにどれだけのことをなしとげたか?
  • 今自分がどのような位置に立っているか?
  • これから先どれだけのことをすればいいか?

これらが奪い去られれば、あとに残るのは恐怖と自己不信と疲労感のみである、と。

いかがでしょうか、思い当たる節はあるでしょうか。

今挙げた3つは要するに「適宜、進捗状況を確認しましょう」ということですよね。自分のペースや必要な行動を具体的に把握することが大事だよ、と。

恐怖と自己不信と疲労感を抱えて困っている人は、この3点を把握できれば、今のつらい状況から抜け出すことができるかもしれません。

なのですが、これには大事な前提があって、スタートとゴールが明確に定まっていないと、迷子になってしまうのですよね。

特に大事なのは、ゴール(目標)。これがないと、どこに向かって進めばいいのかわかりません。

だからまずは、ゴールを決めること。「よし、達成できたぞ」とはっきりとわかる具体的な目標を設定すること。

そうすれば、恐怖や自己不信や疲労感に苛まれることなく、充実した時間を過ごしていけることでしょう。

ガイドとなる存在があると、より心強いですね。

 
……といったことを、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んで思いました。

先の3つのポイントは、物語の主要人物が、真っ暗闇の中、岩山(崖?)を上りながら、胸中で語ったことです。

登山のレベルから言ったら、こんなルート全然難しくないんだけど、地底の暗黒、目が見えねぇ、視力が奪われちまった、そのせいで苦労してるぜ、と。

まず第一に、言うまでもないことだが、何も見えない。この先に何があるのか、あとどれだけ上がればいいのか、今自分がどのような位置にいるのか、足下から下がどんな具合になっているのか、自分が正しいルートを進んでいるのかどうか――それがわからないのだ。(pp.444-445)

このあたりの話、心当たりありませんか?

実際に光が奪われたわけではないものの、闇の中にいるようで、とにかく不安。そんな経験これまでになかったでしょうか。

例えば、ひどい抑うつ状態で動けなくなったとき。

自分の立ち位置も、進み具合もわからない。先は見えないし、回復も実感できない。まったくよくなる気がしない。

一体どうすりゃいいんだ。もうダメだ。どうしようもない。終わった、全部終わったんだ。

恐怖、自己不信、疲労感、そして、絶望感。

本当に闇の中に放り込まれたときの恐怖感や無力感とはまた違った感覚ではあるものの、メンタル不調もまたしんどい。ですよね?

 

というわけで、

  • 自分がこれまでにどれだけのことをなしとげたか?
  • 今自分がどのような位置に立っているか?
  • これから先どれだけのことをすればいいか?

これらが奪い去られれば、あとに残るのは恐怖と自己不信と疲労感のみである、と言われて、「ほんと、そうだよね」と深く頷いた次第です。

これを応用して、問題解決や目標達成のヒントにできればと思ったのですが、具体的な答えを何一つ提示できていないなと思い、「うーん」とうなっております。

どうにもならないときはジタバタするしかないんでしょうか。それとも流されるままに、沈むままに、身を任せるのが良いのでしょうか。

正解はないので、自分で考えましょう。ということになるのでしょうか。

とりあえず、いま頭に浮かんだのは、「人事を尽くして天命を待つ」です。

「人としてできる限りのことをして、その結果は天の意思にまかせる」ってことらしいですけど、「人としてできる限りのこと」ってどこまで求められてるんですかね、「今の自分が無理なくできることをやろう」ってことで大丈夫ですかね。

いずれにしても、

  • ゴール(目標)を定めること
  • 可能な限り人の助けを求めること

これが重要かなとは思います。

今の自分にできることを、少しずつ、少しずつ、積み重ねていくことにいたしましょう。
 

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