30代まで生きるとは思わなかった

BMX(バイシクルモトクロス)

1985年生まれ、白鵬関や上戸彩さんと同い年のこの私、30代中盤にさしかかろうとしています(白鵬は早生まれなので、日本の学校に通っていたとしたら学年は一つ上ですね。上戸彩ちゃんは同学年です)。

ここ数年は年齢のことをほとんど意識しなくなり、もはや自分の年齢をとっさに答えられないほどです。書類で年齢を示されると「そうか、そんな歳になったのか」と他人事のように思います。

20代の頃は、年齢を重ねることにひどく怯えていました。まるで時限爆弾を抱えているかのような焦りようです。

「28歳までには結婚しなきゃ」とか「30過ぎたら正社員にはなれない」とか、実際に周りの人が口にするのを聞いたし、ネットでも似たような意見を見かけて焦ってしまうこともありました。

今思えば、「人それぞれでしょ」「適当なこと言うなよ~」「年齢にとらわれすぎ」という感じですが、実際そういう傾向がないとは言えないし、まあ仕方ない、そう思うのも致し方ないのかなとは思います。

ただ、それとは別に、これから先何年も生きなければならないという事実に打ちのめされることが多かったように思います。こんなにつらい毎日が何年も何十年も続くのか……と考えただけで恐ろしかったんですよね。

「10年経てば今の悩みなんか忘れているよ」という慰めもあったけれど、当時はそんなふうに思えなかったし、10年経った今もその思いは変わりません。もちろん時間とともに心の痛みは和らぐし、忘れてしまったこともたくさんありますが、10年経っても消えない悩みや心の痛みもあるんだよと事あるごとに心の中でつぶやいているのですよね。いろいろな人から聞いた話を思い返してみても、確実にそう言えるよなぁと。

生きる目的を見つけられないまま生きていくのは難しいものです。心身に不調や痛みを抱え、弱っているときにはなおさら。惰性で生きるのだってけっこう大変なのですよね。

そんなこんなで、20代中盤までは生きていることがつらすぎて、切実に死を願い、死に憧れ、死を前提に毎日過ごしていました。

うつ症状によって死ぬ計画を立てることもありましたが、気力体力がなさすぎて実行には至りませんでしたし、ある程度気力が戻ってからは、「死んではいけない」という理性が働いたからか、そういう行動は何とか抑えられました。でも、何かの拍子で死んでしまっていても全然おかしくなかったと思います。

抑制装置がぶっ壊れているという話は「しにたい死にたいシニタイ…自殺を渇望するあなたの心は」でも書きましたが、今もこうして生きているのはただの運なんじゃないかとも思います。もちろん運がすべてを決めるわけではないけれど、例えばどこに生まれてくるかは運としか言いようがない、自分で選べないのだから。そういう意味で、私はラッキーだったのかしら? とも思ったりします。

とは言いつつも、生きていることが嫌になってしまうことが多いのですよね。生きるのが無理すぎて、20代の頃は、有名人の享年を目標にしていました。一番強く思っていたのは、ミュージシャンのオーティス・レディングが26歳で死んだこと。

オーティス・レディング(1967年、26歳没)
金子みすゞ(1930年、26歳没)
ジミ・ヘンドリックス(1970年、27歳没)
フジファブリック志村正彦(2009年、29歳没)
梶井基次郎(1932年、31歳没)

梶井基次郎の31歳はかなりきっついなーと思っていました。30超えるとか無理、5年以上先のことなんて考えられない、1年後でも無理って。

が、気づけばとっくにアラサーと自称しづらい年齢になっているのでありました。ちなみに、享年33の有名人は、X JAPANのhide(1998年、33歳没)、フィッシュマンズ佐藤伸治(1999年、33歳没)。うーん……。

まぁ人それぞれ寿命は違うし、年齢だけで何かを判断するのはナンセンスなのですが、自分より長い時間を生きている人のことは単純にすごいよな~と思います。40代、50代、60代、70代、80代、90代……。私は今レベル33(33歳)ですからね、レベル66(66歳)の人からしたらまだ半分です。経験値を積み重ねてきたパイセンたちの忍耐力には感服するばかりです。

関連:疲れたときに口ずさみたい「僕の人生の今は何章目ぐらいだろう」

 
26年というオーティス・レディングの生きた時間を目標にしていた24歳の私に「30代もまだまだ生きてるよ」と伝えたら何と思うでしょうか。

大して考え方は変わっていないし、「ちゃんと幸せになってるから安心しなね」と言ってあげられないし、ガッカリさせてしまいそうな現状なのですけれど、でも「人生の味わいを享受していて、楽しんでいる部分もあるよ」とは言ってあげられるかもしれません。実際、楽しいと思えることはあるし、「これで良い」と大部分は納得しています。

そんなこんなで、いまだに40代50代60代まで生きるなんて考えるだけでゲロゲロなんですが、「100年経ったら皆いない」「いずれ人は死ぬ」と思って日々過ごしています。死ぬのもけっこう大変だし、全体的にやる気がないので、すべて後回しにしているだけという言い方もできます。

 
もしこれを読んでいるあなたが、かつての私と同じような気持ちでいるなら、私は何と言うでしょう。

「生きてて偉いね」と言うでしょうか。とりあえず「読んでくれてありがとう」かな。ほんと、あなたがいてくれなきゃここに連ねられた文字列は存在しないに等しいですものね。だから「そこにいてくれてありがとう」。

なんか知らないけど私は33歳まで生きちゃってて、多分もうしばらくは生きるっぽいので、実生活ではなかなか見聞きできないダウナーな言葉をこれからも書き連ねていけたらいいのかなぁと思います。

「あなたの味方でいたいのよ」という気持ちはずっと変わっていないので、そういう何かを伝えられたら嬉しいです。そして、あなたがここに書いている類の言葉を必要とせず、笑顔いっぱいの毎日を過ごせるようになったら、なお嬉しいです。

「とりあえず、今日生きよう」
「今夜は死なないでおこう」

そのくり返しで10年以上やってきたので、そんな感じでゆるくいきましょう。

あんまりゆるゆるしてると怒られるかもしれないけど、誰かを傷つけるわけじゃなければいいでしょう。

3 COMMENTS

hiroko

ナミさんのブログにはほんとにほんとに助けられています。私はもう50過ぎましたが、20代半ばからうつを繰り返しています。季節うつです。調子が悪くなるとナミさんのブログを読み、どれだけ支えになったことか。そして今日も生きています。ありがとうございます。

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みっちぃ

はじめまして。 私は、48歳、男性、無職、引きこもりです。
19歳のトラウマから、死にたいと思うようになり、たびたび、死にたい気分が強くなります。
確かに、30年経っても消えない、心の痛みもあります。
私も「何も、やる気がない」状態です。
いろいろ、ありすぎて、疲れました。 

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かすみ

久しぶりにナミさんに会いたくなってやって来ました。
わたしと同い年なんですね!それだけで、なんか今日良い収穫があったと思っています。
ね、わたしも志村より歳越えた、とかカート越えたとかいちいち思ってましたね。30本当に手前の時って。
でも、なんかなるようにしかならないよなあと30代も中頃になると考え方がゆるゆるになるなあって最近思っちゃいます。ゆるゆるっとね、生きていきましょ。

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