ミスチルの「四次元」で感じた別れの予感や希望や生きる意味

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今日は、Mr.Childrenの「四次元」について書きます。

雑談から始まって、それぞれの曲の感想を書きました。

ミスチルどうでしょう

急に思い立って、ミスチルを聴きたくなりました。プレイヤーに突っ込んだのは、ミスチルで唯一持っているCD「四次元 Four Dimensions」。

自分がCDを買うときって、かなりはっきりとした動機があるんですけど、このCDはなぜ買ったのかはっきり覚えていません。なぜかわからないけど惹かれるものがあったみたい……。

全曲タイアップ曲だったこともあり、単純に耳にする機会が多かったからなのかもしれませんが、「ポカリスエットやカップヌードルのCM曲じゃなくても買ったんだからねッ!」「強めのプロモーションに影響されてるんじゃないからねッ!」と思った記憶はあるので、やっぱり何か強く惹かれるものがあったようです。(とはいえやはり販売促進活動に大きな影響を受けていたことは間違いないでしょう。私って単純だからね!)

ミスチルを語るのは何となく引け目があるというか、有名どころしか知らないので、そんなぺらぺらな視聴経験のみで語れるような世界じゃないんじゃないかという思いがあります。あと、ミスチルファンの熱さとか、ミスチル好きを公言する人に冷ややかな視線を送る人の存在とかがチラついてね。

で、そういう自意識と闘いながらも、じっくり聴くといいね~すごいね~って思うんですよね。これぞプロのミュージシャンって感じがします。オリジナルな表現を重ねつつ、売れる歌、求められている商品をきっちり形にできるってところがすごい。さらにそれを量産し続けられるのもすごい。

そして、桜井さんは誰にでも心当たりがあることを歌うのがうまいな~という印象です。聴いていてドキッとしたり、なんで私の気持ちわかるの?わかってくれるの……!と感激したり、爽やかな気分になったり、皮肉が痛快で笑えたり。そうかと思ったら、は?知らんがな、もううるさい勝手にやってろ、となってしまうこともある。また、聞いてて小っ恥ずかしくなることもままある。

聴くときのコンディションに左右されるのは当然として、これだけ感想のバリエーションがあるのは、色とりどりの世界や変幻自在な心をさまざまな方向から感じさせてくれるということですよね。すごい才能でごわす。

Mr.Children「四次元」

さて、「四次元」です。副題は「Four Dimensions」。本来「四次元」は英語で「fourth dimension」ですが、「4つの次元(世界)」で「Four」となっているようです。だから、読み方も「よじげん」ではなく「よんじげん」。

タイトルの通り、4つの曲が収録されているわけですが、どれも良い。それぞれの世界が別々に存在しているのだけれど、どこかでつながっていることを予感させるような雰囲気があります。

どれが好きか決めるのはかなり難しいです。今改めて聴いてみても、全部いい。というより、4曲で一つの作品のように思えます。うん、やっぱりどれも良い。甲乙つけがたいです。

1. 未来

まず1曲目の「未来」。最終的に希望に向かって歩き出す明るい未来を想起させるものですが、今自分が向き合っているのは好ましくない現実。自分で作り出した孤独の中で、膝を抱えて迎えを待つ。寂しさや淡い期待、矛盾する感情を抱えた主人公は、閑散とした荒れ地に立って、太陽のまぶしさに目をつぶっている。そんな映像が浮かびます。

生きてる理由なんてない
だけど死にたくもない
こうして今日をやり過ごしてる

この歌詞に共感する人もいるのではないでしょうか。私の感想は「うん、わかる。でも『死にたくもない』じゃないよ」でした。

このCDジャケットは、特にこの曲にぴったりのデザインだなーと思います。

2. and I love you

2曲目、「and I love you」。

ふわふわ浮遊するような前奏が不安定ながらも心地いい。ジョン・レノンの「イマジン」に似たふよふよ漂う感があります。

何より惹かれるのが「I love you」というどストレートなメッセージ。あまりにも直球だったものですから、その態度に感動してしまいました。ひねくれて「なーにが愛してるだ」と言いがちな私は恥ずかしくなりました。

「and」とくり返しているのがたまらないですね。あとファルセットも。

3. ランニングハイ

3曲目、「ランニングハイ」。

これは爽快で痛快な歌です。4曲の中で最もエネルギッシュな作品。キャッチーな言葉がたくさんあって、日常でも使いたくなります。

自分の弱さやダメさ加減にイライラしたり強がったりしながらも、強く生きようと決意する主人公。不器用にもがく様はまぶしく、微笑ましい。息苦しい日常を打破したい! という思いを代弁し、背中を押してくれるような応援歌です。

4. ヨーイドン

4曲目「ヨーイドン」。

子供の自分と大人の自分を対比して眺められるような曲。穏やかに語られる決意を感じられます。

不安とか怖さとかいろいろあるけど、それなりに頑張ってみるよ。そんな自然体の前向きさは、心が弱ったときにささやかな力を授けてくれそうです。「~するよ」のセリフとぴったりなメロディだからこそ、すっと入ってくるのかなとも思います。

サビの最後には「転がり続けていくよ」というフレーズがあります。これがまた印象的で、私はこの単語からボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」を連想します。ボブ・ディランの「ライク・ア~」は人生の転落、上から下に転がり続けていくイメージで、描かれる世界がまったく違います。でも、それがあるからこそ、桜井さんが歌う「転がり続けていくよ」は希望に感じられます。ここから仕切り直そうよ、と。

上から下に転がっていくのは簡単だし、自然なことです。反対に、物は低いところから高いところに転がり続けることはできません。でも、ここで描かれるものは、高いところ、つまりよい方向に転がっていけるもののようです。確かに、何かの力を借りることでそれは可能ですよね。

今ふと浮かんだんですけど、「飛び出す」「転がる」って、大玉転がしみたいですね。赤と白が競う運動会の種目。

ヨーイドン!

で、流れる音楽はオッフェンバックの「天国と地獄」。

♪ ちゃちゃちゃ~ん ちゃちゃちゃ~ん ちゃちゃちゃちゃちゃっ!

なんだか面白いですね。

5. ヨーイドン(instrumental)

最後のおまけ、「ヨーイドン」のインストゥルメンタル。

昔のシングルCDには大抵入ってましたよね、カラオケver.とかいって。懐かしさのあまり、思わず笑ってしまいます。

最後に

こうやって感じたことを言葉にしてみると、自分のことながら「へぇ~そうなんだ」と気づかされることがあります。もやもやしていたものがクリアになる感じです。

その上で改めて作品を聴いてみると、これまでとはまた違った味わいを感じられます。作品を通して、自分の内面を掘り下げることができるのかもしれません。

さまざまなメッセージを届けてくれる音楽は素晴らしいですね。

 

<本日の作品>
Mr.Children「四次元」2005年

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