晩秋の夕暮れに思い出すメロディとからっぽの季節

秋

秋ですね。暦の上ではもう冬ですが、肌感覚としては「晩秋」です。(と思ったら急に寒くなりましたね!冬来てますね!という追記コメント)

私は季節の空気感を確認する癖があるのか、「春だなぁ」「夏だなぁ」と無駄によく言ってしまいます。近くに人がいると「春だねぇ」「夏だねぇ」に変換されることもありますが、基本的には独り言です。

この季節は当然「秋だなぁ」です。さらに「秋だなぁ」と思うと同時に、頭の中で「晩秋の夕暮れは~」というフレーズが流れます。ガガガSPの「晩秋」という曲。

今調べたら2002年の曲なんですね。14年前、ということは私は高校生。青春ソングがぴったりのお年頃です。

からっぽの季節

2000年代後半~は、音楽情報がスッポリ抜け落ちていて、流行りの音楽もパッと思い出せるものがありません。というより、生活そのものの記憶が自分の中になくて、空洞になっている感じです。もちろんまったく何もないわけではないんですけど、何て言うんですかねぇ、社会から隔絶されていた感じ? というより自分の殻にこもっていただけなんですけど。単純に病んでたと言えばいいのか、もっとしっくりくる言葉があるような気もするんですが。

そういうわけで、私の音楽情報は更新されておらず、ふと思いつく音楽が微妙に古いわけです。このブログに取り上げている作品も、世間的な評価や位置づけがよくわかりません。別に人の評価によって聴く音楽を変えるわけじゃないので、それ自体は何も問題ないのですが、こうやって「○○(アーティスト名)の曲がね」と言って、いい具合に伝わっているのかな? とやや不安。特に10代の方からしたら「何それ」って感じなのかなぁとか。

別に「この曲いいよ!聴いて!」とオススメしたいわけでもないし(オススメと書くことはありますが)、「この曲は私を構成する一部になっています」という報告に近いかもしれません。「秋だなぁ」のノリで「好きだなぁ」と言う感じですかね。

私は音楽に詳しくないし、たまたま目の前にあったものをすごい聴くっていうスタイルなので、だいぶ偏りがあるんですよね多分。だからといって、すっごい聴いたアーティストに詳しくなるわけでもなく。

でも、別にこの感じは何も特別じゃなくて、自分の中に取り込まれた音楽は人それぞれの傾向があるんでしょうね。

その人を形成する音楽。

そう言うと何だが大げさな感じがしますが、さっき言った私の「空洞になっている感じ」は、作品を何も取り込まない(取り込めない)時期だったと考えると、まぁまぁしっくりきます。

ガガガSPの魅力

で、ガガガSPはどこいっちゃったんだって話ですけど、このガガガSPはどうなんですかね、みんな知ってる系ですか? ジャンルは「パンク・ロック」「青春パンク」と位置づけられているようです。

青臭さゆえに、何となく「ガガガ好きなんです」と言い出せないときがあるんですけど、こういうこと言うのも何か違うような、好きなものを好きと言えない方がカッコ悪いんじゃないか、いやいや、だってNo.1って言えるかといったらそこはちょっと待ってくださいよ、いや別に普通に好きとは言えますよ?……などと自意識が活発になるんですけど、それも込みでやっぱり青臭くていいですね。

そんなことを思いつつ、「晩秋」を聴いてみますと、これがまた味わい深いのです。

感傷的なようでいて、エネルギッシュな感もあり、でも実際は、諦めの気持ちと割り切れない思いが同居していて、何だかんだと言いながら迷いの中でもがいている、みたいな。

やかましい音楽なのに、こういう機微をひしひしと感じられるのが不思議だなぁと思います。臆病な心の裏返しなんですかね。

失恋も含めて好きな人のことをキレイに歌っている人はたくさんいますけど、これだけ弱さやカッコ悪さをさらけ出して、未練タラタラ歌える人はなかなかいないように思います。こういうのを「らしさ」と言うのでしょうか。

やかましい晩秋

さて、「晩秋の夕暮れは 僕の心をまどわせる」というサビのフレーズ。

私は惑っているっけ? と思って考えてみたら、私は晩秋の夕暮れ空を眺めるとき、溶け出したいと思っているなぁと気づきました。

「晩秋の夕暮れは」のフレーズだけがリフレインして、投げっぱなし。吉田拓郎さんの「人間なんてララ~ラ~ララララ~ラ~」のように、次に続く言葉は特にありません。「なんかさぁ、あれだよね」と言ってぼや~としている感じ。

そんな中でも、曲の余韻は残っているので、祭りのあとのような雰囲気に包まれます。

そういえば、ガガガSPの4thアルバム『無責任一家総動員』は、「祭りの準備」から始まって「祭りの本番」、「晩秋」で終わり。まさにこの感覚を体現していたわけですね。リピート再生することが多かったので終わりに気づきませんでした。今気づいたというより、知らず知らずのうちに染まっていたのでしょうか。

このアルバムで「晩秋」は隠しトラックになっていて、ノーマルバージョンとちょっと違います。弾き語りで内輪なライブ感が伝わってくるやつです。まくしたてる早口、ワンフレーズに歌詞を詰め込む歌い方がより顕著になっているところが好みです。

で、サビの部分をメンバーが合唱していて、ボーカルのコザック前田さんがグイグイ引っ張っていく感じなんですけど、もしこのノリで一緒に歌うのを強要されたら困るな、ステレオの向こうでやってくださいと思いながら聴いています。なぜなら今は晩秋の夕暮れにたそがれているところだから! あ、コザック前田の煽りは「僕の心をまどわせる」ですね。にぎやかな晩秋です。

味わい深い季節

あなたはどんな秋をお過ごしですか?

秋は物悲しさを感じる季節ですよね。

昔、ある人がこんなふうに言っていました。

「みんなが長袖を着始めるときの空気感が好き」

この感性に痺れました。

初秋の肌寒さだけでなく、晩秋の落ち葉がわんさか積もったところも好きだとその人は言っていました。

寒さが苦手な私は「あぁ、やだな~」と冬の到来をあまり喜べなかったのですが、この言葉を思い出すと、季節を感じるってなんか素敵よね、と優しい気持ちになります。

と言いながらも、季節確認の独り言は「あぁ、冬かぁ~」と若干テンション下がり気味。

人肌恋しい季節をどう乗り越えるか、これはなかなかの難題です。

私は深い穴ぐらで冬眠したいです。なんなら永眠したいです。

とか言ってると、なんだかんだと励まされて面倒なので、黙っています。

「秋だなぁ」と心の中でつぶやきながら。

 

<本日の一曲>
ガガガSP「晩秋」2002年

ガガガSP「無責任一家総動員」2005年

1 COMMENT

Calm

こんばんは。
ちなみに僕はガガガさんは知らないです…
サンボマスターさんは此処で知って結構ハマってます。
調べたらナルトのやつも歌ってましたし。

夏休み前から不登校だったので、夏~秋は分かりません。
ず~っとゲームで現実逃避です。

冬は好きですね!
小学生の頃に5時半から登校してた時期がありまして、その時に冬の朝っぱらの空気が好きになりました。
鼻が少しスースーする感覚というか、新鮮な感じがします。
あと、まだ暗かったのでたまーに星を見たりして。

まぁ寒いんですけど。

今年はどうかなー。
まぁ、なるべく知り合いがいない時間帯に外に出てみたいと思います。

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